判旨
上告理由書が法定の提出期間内に提出されない場合、民事訴訟法(当時)の規定に基づき、当該上告は適法な上告理由を欠くものとして却下される。
問題の所在(論点)
上告受理通知書の送達から法定の提出期間内に上告理由書が提出されず、かつ期間末日が休日等に当たらない場合における、上告状に理由の記載がない上告の適法性(旧民事訴訟法399条の3、399条1項2号)。
規範
上告受理通知書の送達を受けた日から一定の法定期間(本判決当時は50日)内に上告理由書が提出されない場合は、上告状に上告理由の記載がない限り、上告を却下しなければならない。
重要事実
上告人らは昭和29年11月14日に上告受理通知書の送達を受けたが、法定期間内(50日以内)に上告理由書を提出しなかった。上告人らの代理人が提出した書面は、期間経過後の昭和30年1月4日に原裁判所に到達した。なお、期間末日の1月3日は、当時の法制上、期間を延長すべき一般の休日に該当しなかった。
あてはめ
上告人らが上告受理通知書の送達を受けた日から起算して、50日の法定期間は昭和30年1月3日に満了する。上告人らはこの期間内に理由書を提出しておらず、上告状にも理由の記載がない。提出された書面は期間経過後の1月4日に到達したものであり、期間徒過が認められる。また、期間末日が休日に当たらない以上、期間の延長も認められない。
結論
法定期間内に上告理由書が提出されなかったため、本件上告は却下される。
実務上の射程
上告提起における期間遵守の重要性を示す形式的要件に関する判例である。現行の民事訴訟法においても、上告理由書の提出期間(民訴法314条2項、民訴規則189条1項・50日)を徒過した場合には、同法316条1項1号により決定で上告が却下されるため、実務上極めて厳格な運用がなされる点に留意が必要である。
事件番号: 昭和25(オ)333 / 裁判年月日: 昭和26年2月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告人が上告理由書を提出すべき法定期間内にこれを提出しないときは、上告裁判所は判決をもって上告を却下しなければならない。 第1 事案の概要:上告人は、昭和25年10月11日に最高裁判所書記官から訴訟記録受領の通知を受けた。しかし、上告状には上告理由の記載がなく、かつ、当該通知を受けた日から30日以…