一 民訴第三八一条は、すでに第一審裁判所の終局判決がなされた以上、仮に不当に管轄を認めたとしても、専属管轄に関しない限りは、訴訟経済の見地から、控訴審においては、もはや第一審の裁判所の管轄については争うことを許さない趣旨を定めた規定である。 二 当事者雙方に対し適法な期日の呼出又は告知がなされて開かれた口頭弁論期日において、当事者の一方の不出頭のまゝ弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知がなされたときは、その告知は、右の期日に出延していなかつた当事者に対しても、その効力を生ずる。
一 民訴第三八一条の意義。 二 判決言渡期日の告知。
民訴法381条,民訴法207条,民訴法190条2項
判旨
第一審で終局判決がなされた場合、控訴審において第一審の管轄違いを主張することは、専属管轄を除き、訴訟経済の観点から許されない。また、適法な期日の呼び出しを受けた当事者が不出頭のまま弁論が終結した場合、判決言渡期日の告知は不出頭の当事者に対しても効力を生じる。
問題の所在(論点)
1. 第一審が終局判決を言い渡した後、控訴審において第一審の管轄違い(専属管轄を除く)を主張できるか。 2. 弁論期日に不出頭の当事者に対し、その期日に指定された判決言渡期日を別途通知する必要があるか。
規範
民事訴訟法上の管轄に関する規定(現行法299条、旧法381条)は、第一審が終局判決を下した以上、専属管轄に関する場合を除き、控訴審で管轄権の存否を争うことを許さない。これは訴訟経済の見地に依拠するものである。また、期日の呼び出しを適法に受けた当事者が欠席した状態で弁論が終結し、判決言渡期日が指定・告知された場合、その告知は欠席当事者に対しても効力を生じ、別途の通知を要しない。
重要事実
上告人(一審被告)と被上告人(一審原告)は飴の素等の特約販売契約を締結し、被上告人は手附金を交付したが、上告人の債務不履行を理由に契約が解除された。第一審(福岡地裁飯塚支部)が判決を下した後、上告人は控訴審において、第一審裁判所に管轄権がなかった旨を主張した。また、原審(控訴審)の口頭弁論期日において、上告代理人は適法な呼出しを受けたにもかかわらず不出頭であった。原審はその期日で弁論を終結し、判決言渡期日を告知したが、不出頭の上告人に対して別途の言渡期日の呼び出しは行わなかった。
あてはめ
1. 本件訴訟は専属管轄の定めがある訴訟には該当しない。したがって、訴訟経済の見地から、第一審判決が既になされた段階では、当事者は原審において管轄権の欠如を主張することはできず、原審が判断をせずに本案判決をしたことは正当である。 2. 原審の口頭弁論期日の呼出状は上告代理人に適法に送達されていた。代理人が自らの意思で不出頭であった以上、その期日になされた弁論終結および判決言渡期日の告知は上告人に対しても効力を有する。ゆえに、追加の通知がなくとも手続上の違法はない。
結論
1. 専属管轄でない限り、控訴審で第一審の管轄権を争うことはできず、上告人の主張は理由がない。 2. 適法な告知があれば、不出頭の当事者に判決言渡期日の個別通知は不要であり、原判決に違法はない。
実務上の射程
管轄違いの抗弁(現行法11条等)は、第一審の判決が出る前に主張すべきであり、控訴審での主張は専属管轄違反(同法299条1項ただし書)に限られる。また、期日管理における告知の効力は不出頭当事者にも及ぶとする実務上の準則を確認した判例である。
事件番号: 昭和23(オ)168 / 裁判年月日: 昭和25年11月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】金銭債務において、債務者が当初予想していた資金調達が法令の制限等により不可能となり、履行期に支払いができなかったとしても、債務者の責めに帰すべき事由がないとはいえない。 第1 事案の概要:買主(上告人)は、売買契約締結時、自己の資金状況や臨時資金調整法等の統制法規、許可手続に要する日数等を考慮した…