判決が口頭弁論終結の日から約五年有余を徒過したのちに言い渡されたという違法は、上告適法の理由とはならない。
判決言渡期日の遅延と上告理由
民訴法190条,民訴法394条,民訴法395条
判旨
口頭弁論終結後、長期間(約5年)判決言渡しが遅延したとしても、直ちに絶対的上告理由に該当するものではなく、当然に判決に影響を及ぼすべき法令の違反とも認められない。
問題の所在(論点)
口頭弁論終結の日から判決言渡しまで約5年という著しい期間を要したことが、民事訴訟法上の判決破棄事由(絶対的上告理由または判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反)に該当するか。
規範
判決の言渡しは、事件の繁雑その他特別の事情がない限り、口頭弁論終結の日から二週間内に行うべき(民訴法251条1項、当時の190条1項)とされる。しかし、著しい遅延があっても、それが直ちに絶対的上告理由(民訴法312条2項、当時の395条)に該当したり、当然に判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反(民訴法312条1項、当時の394条等)を構成したりするものではない。
重要事実
上告人は、原審が口頭弁論を終結した日から約5年余りを経過した後に判決を言い渡した点に違法があると主張した。具体的にどのような事情によって遅延が生じたのかについては「判決文からは不明」であるが、上告人は期間の長さのみを捉えて違法性を主張し、破棄を求めた。
事件番号: 昭和49(オ)787 / 裁判年月日: 昭和50年7月21日 / 結論: 棄却
準備手続を経ない口頭弁論期日(第一回期日を除く。)の変更は、当事者の合意がある場合でも、顕著な事由の存在が明らかでないかぎり、これを許さなければならないものではない。
あてはめ
民訴法251条1項(旧190条1項)は、事件の繁雑等の特段の事情がない限り2週間以内の言渡しを定めており、著しい遅延は法の所期しないところではある。しかし、期間の経過自体のみでは、絶対的上告理由として列挙されている事由のいずれにも該当しない。また、審理の遅延が判決内容そのものの当不当に直接的に影響を及ぼしたといえる特段の事情が示されない限り、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反とはいえない。本件においても、単なる期間の徒過だけでは破棄事由には当たらないと評価される。
結論
本件における5年余りの言渡し遅延は、判決を破棄すべき事由には該当しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
訴訟遅延が著しい場合であっても、それが手続上の形式的な違法にとどまる限り、判決の結論自体を左右するものではないとして、上告審での救済(破棄)には慎重な立場を示す。答案上は、手続規定の違反が判決の結論に影響するか否かを論じる際の、訓示的規定の解釈の例として活用できる。
事件番号: 昭和30(オ)154 / 裁判年月日: 昭和30年3月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告理由書が法定の提出期間内に提出されない場合、民事訴訟法(当時)の規定に基づき、当該上告は適法な上告理由を欠くものとして却下される。 第1 事案の概要:上告人らは昭和29年11月14日に上告受理通知書の送達を受けたが、法定期間内(50日以内)に上告理由書を提出しなかった。上告人らの代理人が提出し…
事件番号: 昭和36(オ)1289 / 裁判年月日: 昭和37年11月22日 / 結論: 棄却
判決が口頭弁論終結の日から約四年を徒過した後に言い渡されたという違法は、上告適法の理由とはならない。
事件番号: 昭和30(オ)210 / 裁判年月日: 昭和30年12月8日 / 結論: その他
選挙関係訴訟においては、選挙人は当事者たる都道府県選挙管理委員会に補助参加することができる。