判旨
上告理由が原審における証拠の取捨および事実認定に関する非難にとどまる場合は、適法な上告理由にはあたらない。
問題の所在(論点)
事実認定に関する不服申し立て(証拠の取捨の非難)が、民事訴訟法における適法な上告理由にあたるか。
規範
民事訴訟法上の上告理由として認められるためには、判決に影響を及ぼすべき憲法違反、または法律・規則の解釈の誤り等の適法な事由が必要であり、単なる事実認定の不当を主張することは認められない。
重要事実
上告人は原審の判決を不服として上告したが、その上告理由は、原審が行った証拠の取捨および事実の認定を非難する内容であった。
あてはめ
本件において、上告人が主張する内容はすべて原審の事実認定の過程を批判するものであり、憲法違反や法令の不適切な解釈・適用といった法的瑕疵を指摘するものではない。したがって、法が定める上告理由の要件を充足しない。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
最高裁への上告において、単なる事実誤認の主張は排斥されるという実務上の大原則を確認するものである。答案作成上は、上告理由の適格性を論じる際、法律審の性質に基づき事実認定の是非は対象外であると論証する際の根拠となる。
事件番号: 昭和28(オ)1300 / 裁判年月日: 昭和30年10月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、民事上告事件における上告理由の適法性を検討し、単なる事実誤認や判例違反の主張が特例法上の重要事項に該当しないとして上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:上告人は、原審の判断に対し、訴訟法違反、事実誤認、および判例違反を理由として上告を申し立てた。しかし、引用された判例は本件に適切…