判旨
民事上告において、原判決の事実認定の非難や、原審で主張・判断のない法令違背の主張は、上告受理の要件を満たさないため棄却される。
問題の所在(論点)
事実認定の非難や、原審で主張されていない法令違背の主張が、民事上告における正当な上告理由(法令の解釈に関する重要な主張等)に該当するか。
規範
最高裁判所における民事上告において、単なる事実認定の非難や訴訟法違背の主張、または原審で主張・判断のない法令違背の主張は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」1号乃至3号のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含むものとは認められない。
重要事実
上告人は、原判決の事実認定を非難し、あるいは訴訟法違背を主張して本件上告を申し立てた。また、上告理由の第八点においては、原審で主張も判断もされていない事項について単なる法令違背を主張した。
あてはめ
上告人の主張は、原判決の事実認定を非難するにとどまるもの、または単なる訴訟法違背の主張にすぎない。加えて、原審で判断されていない法令違背の指摘は、審判の特例に関する法律が定める適法な上告理由に当たらない。したがって、これらは「法令の解釈に関する重要な主張」を含むものとは評価できない。
結論
本件上告は棄却される。事案の性質上、法令の解釈に関する重要な主張が認められないためである。
実務上の射程
民事訴訟実務において、上告審は法律審であることを再確認させる判例である。事実認定の不当性や、下級審で提出しなかった新たな法的主張を上告理由とすることは原則として許されないという、上告理由の限定的な解釈を示す際の根拠となる。
事件番号: 昭和31(オ)561 / 裁判年月日: 昭和32年5月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において原判決の事実認定を肯定し、独自の事実関係を前提とする法令違背の主張を退けた事例である。 第1 事案の概要:上告人らが、原審における事実認定を争い、または原判決が認定していない事実関係を前提として法令の違背を主張し、上告を提起した事案。判決文からは具体的な事件の内容や権利関係の詳細は不…