判旨
上告理由が憲法違反の主張とは認められず、単に原判決を非難するにすぎない場合は、民事訴訟法(旧法)所定の上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
上告人が主張する内容が、実質的に憲法違反の主張と認められず、単に原判決の判断を不当として非難するものである場合に、民事訴訟法上の上告理由として認められるか。
規範
上告審において憲法違反を主張する場合、実質的に憲法問題を含んでいる必要があり、単なる事実誤認や法令違反といった原判決の不当性を非難するにすぎない主張は、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は、原判決に対して憲法違反を主張して上告を提起した。しかし、その具体的な主張内容は、原判決の判断を非難することに帰着するものであった。
あてはめ
上告人の論旨を検討すると、それは憲法違反の主張とは認められず、原判示の内容を非難するに帰するものである。したがって、旧民事訴訟法409条の2(現在の民事訴訟法312条1項・2項に相当)が規定する上告理由には該当しないと解される。
結論
本件上告は上告理由を欠くものとして、棄却されるべきである。
実務上の射程
実務上、憲法違反を上告理由とする場合には、単なる事実認定の不服や私法の解釈適用に関する不満を述べるのではなく、具体的な憲法条項への抵触を論理的に示す必要がある。答案上は、上告理由の適法性を検討する際の基本的枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和31(オ)289 / 裁判年月日: 昭和31年9月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が原審の適法な事実認定を非難するものにすぎない場合、民事訴訟法上の適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人らが原審の事実認定を不服として上告を提起したが、上告理由の内容は、原審の証拠評価や事実認定のプロセスに対する非難を主とするものであった。 第2 問題の所在(論点):事実…
事件番号: 昭和29(オ)765 / 裁判年月日: 昭和31年7月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、上告理由が憲法違反を主張するものであっても、実質が単なる法令違反にすぎず、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に対して憲法違反を理由として上告を申し立てた。しかし…
事件番号: 昭和29(オ)471 / 裁判年月日: 昭和29年10月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告の理由が原審の証拠取捨や事実認定の非難に帰する場合、民事上告事件の審判の特例に関する事項に該当せず、適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)における証拠の取捨判断および事実認定に誤りがあるとして最高裁判所に上告を提起した。 第2 問題の所在(論点):原審における…
事件番号: 昭和27(オ)609 / 裁判年月日: 昭和30年4月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件において、上告理由が特例法に定める上告理由のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人は、本件土地が特別都市計画区域外の土地であると主張し、自身の賃借申出が有効であるとして争った。しかし、原審(および前審の…
事件番号: 昭和28(オ)633 / 裁判年月日: 昭和28年10月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が更正決定によるべき事項や事実認定の非難にすぎず、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、原判決の不服を申し立てて上告したが、その主張内容は更正決定によって解決されるべき事項、または原審の事実認定を非難するものであった。 第2 問題の所在…