判旨
地方裁判所の裁判長がした抗告状却下命令に対する不服申立ては、最高裁判所ではなく、管轄権を有する高等裁判所が管轄すべきである。
問題の所在(論点)
地方裁判所の裁判長が下した抗告状却下命令に対する抗告について、最高裁判所に管轄権が認められるか。
規範
地方裁判所の裁判長による抗告状却下命令(民事訴訟法第334条、第316条準用)に対する抗告の管轄は、当該地方裁判所を管轄する高等裁判所に属する。
重要事実
抗告人は、名古屋地方裁判所の調停委員会による処分に対する抗告却下決定に対し、再抗告受理の申立てを行った。これに対し、同裁判所の裁判長は、昭和29年9月13日付で抗告状却下命令を発した。抗告人は、この命令に対して最高裁判所に抗告状を提出した。
あてはめ
本件において争われているのは、名古屋地方裁判所の裁判長が行った抗告状却下命令である。民事訴訟法上の不服申立ての構造に照らせば、第一審裁判所の裁判長による命令に対する抗告は、原則としてその上級裁判所が審理すべきものである。したがって、最高裁判所に直接抗告を提起することは管轄違いであり、本来の管轄裁判所である名古屋高等裁判所において審理されるべきである。
結論
本件抗告は最高裁判所の管轄に属しないため、管轄裁判所である名古屋高等裁判所に移送する。
実務上の射程
裁判長による抗告状却下命令等の補助的裁判に対する不服申立てにおいて、管轄を誤って最高裁に申し立てた場合の処理(移送)を示す実務上の先例である。答案上は、管轄違いの申立てがあった際の裁判所の措置(民訴法16条1項の類推適用等)の文脈で参照し得る。
事件番号: 昭和29(ク)131 / 裁判年月日: 昭和29年5月31日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】地方裁判所の訴状却下命令に対する抗告棄却決定に対して更になされた抗告は、最高裁判所ではなく管轄権を有する高等裁判所に移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人らは、神戸地方裁判所による訴状却下命令に対する抗告事件について、同裁判所が下した抗告棄却の決定に対し、最高裁判所に更なる抗告を申し立て…
事件番号: 昭和28(ク)47 / 裁判年月日: 昭和29年3月5日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】地方裁判所がなした訴状却下命令に対する抗告は、最高裁判所ではなく管轄権を有する高等裁判所に属するため、管轄違いの場合は移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、神戸地方裁判所姫路支部がなした訴状却下命令を不服として、最高裁判所に対し抗告の申立てを行った。しかし、当該却下命令は地方裁判所に…
事件番号: 昭和29(ク)201 / 裁判年月日: 昭和29年10月20日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上訴提起は、法律の規定に基づき、その判断を仰ぐべき裁判所の原裁判所に対してなされるべきであり、提出先を誤った場合は正当な提出先へ移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、大阪高等裁判所が下した訴状却下命令に対する抗告棄却決定を不服として、最高裁判所に直接抗告状を提出した。 第2 問題の所…
事件番号: 昭和29(ク)184 / 裁判年月日: 昭和29年8月25日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告の申立ては、上告の例に従い、原裁判所である高等裁判所に抗告状を提出して行わなければならない。 第1 事案の概要:抗告人は、福岡高等裁判所が下した訴状却下命令に対する抗告棄却決定を不服とし、最高裁判所に対して抗告状(書面上の題名は「上告状」)を提出した。しかし、当該抗告状は…
事件番号: 昭和36(ク)181 / 裁判年月日: 昭和37年12月25日 / 結論: 却下
恩給法第一一条第三項所定の恩給受給権の差押禁止が憲法第一四条第一項に違反する旨の主張は、特別抗告適法の理由とならない。