判旨
地方裁判所がなした訴状却下命令に対する抗告は、最高裁判所ではなく管轄権を有する高等裁判所に属するため、管轄違いの場合は移送されるべきである。
問題の所在(論点)
地方裁判所がなした訴状却下命令に対する抗告について、最高裁判所に管轄権があるか。また、管轄違いの場合の措置はどうあるべきか。
規範
裁判所法16条2号および民事訴訟法228条3項(現行民事訴訟法329条3項・330条等参照)に基づき、地方裁判所の決定・命令に対する抗告の管轄は高等裁判所に属する。管轄権のない裁判所に抗告がなされた場合、民事訴訟法30条(現行民事訴訟法16条参照)の規定を準用し、管轄権を有する裁判所に移送すべきである。
重要事実
抗告人は、神戸地方裁判所姫路支部がなした訴状却下命令を不服として、最高裁判所に対し抗告の申立てを行った。しかし、当該却下命令は地方裁判所によるものであり、本来の不服申立先は大阪高等裁判所であった。
あてはめ
本件抗告の対象は地方裁判所の訴状却下命令である。裁判所法16条2号は高等裁判所が地方裁判所の決定・命令に対する抗告を審判することを定めており、民事訴訟法上の規定に照らしても、本件は大阪高等裁判所の管轄に属する。最高裁判所には管轄権がないため、民事訴訟法30条を適用して管轄裁判所へ移送するのが相当である。
結論
本件抗告は最高裁判所の管轄に属さず、大阪高等裁判所の管轄に属するため、同裁判所に移送する。
実務上の射程
裁判所間の管轄違いが生じた際の移送の処理を定めた実務的な決定である。特に、上訴・抗告の申立先を誤った場合に、直ちに却下するのではなく適法な裁判所に移送して手続を継続させるという、民事訴訟法上の移送規定の適用場面を認めた点に意義がある。
事件番号: 昭和29(ク)131 / 裁判年月日: 昭和29年5月31日 / 結論: その他
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