判旨
最高裁判所は、上告事件について管轄権がないと認める場合には、民事訴訟法等の規定に従い、管轄権を有する裁判所(本件では東京高等裁判所)に事件を移送しなければならない。
問題の所在(論点)
最高裁判所に提起された上告事件について、同裁判所に管轄権がない場合、どのような裁判上の措置を講ずべきか。
規範
裁判所は、訴訟の全部または一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てによりまたは職権で、判決をもってこれを管轄裁判所に移送しなければならない。
重要事実
上告人から最高裁判所に対し、上告状が提出されたが、当該事件の審理・裁判について最高裁判所が管轄権を有していないと判断される状況にあった。
あてはめ
本件事件の性質上、最高裁判所には管轄権が認められない。しかし、管轄違いを理由に直ちに却下するのではなく、適正な裁判を受ける権利を保障する観点から、訴訟経済等に基づき管轄を有する東京高等裁判所へ事件を移転させるのが相当である。
結論
本件を管轄裁判所である東京高等裁判所に移送する。
実務上の射程
管轄違いの訴えが提起された場合、裁判所は不適法却下ではなく移送(民訴法16条1項)によって対応すべきであるという原則を示す。実務上は、上告先の間違い等が生じた際の技術的な処理として機能する。
事件番号: 昭和29(ク)131 / 裁判年月日: 昭和29年5月31日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】地方裁判所の訴状却下命令に対する抗告棄却決定に対して更になされた抗告は、最高裁判所ではなく管轄権を有する高等裁判所に移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人らは、神戸地方裁判所による訴状却下命令に対する抗告事件について、同裁判所が下した抗告棄却の決定に対し、最高裁判所に更なる抗告を申し立て…
事件番号: 昭和28(ク)47 / 裁判年月日: 昭和29年3月5日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】地方裁判所がなした訴状却下命令に対する抗告は、最高裁判所ではなく管轄権を有する高等裁判所に属するため、管轄違いの場合は移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、神戸地方裁判所姫路支部がなした訴状却下命令を不服として、最高裁判所に対し抗告の申立てを行った。しかし、当該却下命令は地方裁判所に…
事件番号: 昭和29(ク)201 / 裁判年月日: 昭和29年10月20日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上訴提起は、法律の規定に基づき、その判断を仰ぐべき裁判所の原裁判所に対してなされるべきであり、提出先を誤った場合は正当な提出先へ移送されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、大阪高等裁判所が下した訴状却下命令に対する抗告棄却決定を不服として、最高裁判所に直接抗告状を提出した。 第2 問題の所…
事件番号: 昭和29(ク)184 / 裁判年月日: 昭和29年8月25日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告の申立ては、上告の例に従い、原裁判所である高等裁判所に抗告状を提出して行わなければならない。 第1 事案の概要:抗告人は、福岡高等裁判所が下した訴状却下命令に対する抗告棄却決定を不服とし、最高裁判所に対して抗告状(書面上の題名は「上告状」)を提出した。しかし、当該抗告状は…
事件番号: 昭和28(ヤ)1 / 裁判年月日: 昭和29年9月30日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が下した決定に対する再審の申立ては、当該決定を下した高等裁判所の専属管轄に属するため、最高裁判所に申し立てられた場合は管轄裁判所へ移送すべきである。 第1 事案の概要:申立人は、高松高等裁判所が昭和27年2月29日に下した戸籍訂正許可申立却下の審判に対する抗告棄却決定に対し、最高裁判所へ…