判旨
最高裁判所に対する特別抗告または許可抗告の申立ては、管轄違いにより原裁判所に提出すべきものであり、最高裁判所に直接提出された場合には、管轄権を有する原裁判所に移送すべきである。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対してなされるべき抗告について、抗告状を誤って最高裁判所に直接提出した場合の取扱いおよび正当な提出先が問題となる。
規範
抗告状の提出先に関する民事訴訟法の規定(当時の民訴法419条の2、419条の3等)に基づき、最高裁判所への抗告(特別抗告等)を行う際は、抗告状を原裁判所に提出しなければならない。誤って最高裁判所に直接提出された場合、裁判所は移送の手続をとるべきである。
重要事実
抗告人は、広島高等裁判所が下した競落許可決定に対する抗告事件の決定に対し、不服を申し立てるべく最高裁判所に直接抗告状を提出した。しかし、当該抗告状は本来、原裁判所である広島高等裁判所に提出されるべきものであった。
あてはめ
本件において抗告人が提出した抗告状は、当時の民事訴訟法上の規定(419条の2、419条の3、409条の2第1項、409条の3、397条)を準用または直接適用する結果、最高裁判所ではなく原裁判所である広島高等裁判所に提出すべきものである。したがって、最高裁判所に係属している本件は管轄違いであり、原裁判所に移送するのが相当である。
結論
本件抗告事件を、正当な書類提出先かつ管轄裁判所である広島高等裁判所に移送する。
実務上の射程
最高裁判所への特別抗告や上告受理申立てにおいて、申立書の提出先を誤った場合の救済(移送)に関する実務上の取扱いを示す。現行法下においても、上告状や抗告状の提出先は原裁判所である(民訴法314条1項等)ため、提出先誤りに対する処理の先例として意義がある。
事件番号: 昭和30(ク)1 / 裁判年月日: 昭和30年1月31日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告(特別抗告)の申立ては、管轄裁判所ではなく原裁判所に提出すべきであり、誤って上告裁判所に提出された場合は、適切な裁判所へ移送すべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が下した競落許可決定に対する抗告棄却決定に対し、不服を申し立てるため、昭和30年1月11日に最高裁判所へ直接抗告…
事件番号: 昭和39(ク)258 / 裁判年月日: 昭和39年9月18日 / 結論: 却下
特別抗告制度が違憲であるとの主張は、民訴法第四一九条の二の適法な抗告理由ではない。
事件番号: 昭和29(ク)192 / 裁判年月日: 昭和29年9月30日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立書は、当時の民事訴訟法の規定に従い、最高裁判所ではなく原裁判所に提出すべきである。誤って最高裁判所に提出された抗告状については、同裁判所がこれを受理せず、原裁判所に移送するのが相当である。 第1 事案の概要:抗告人は、大阪高等裁判所が昭和29年8月18日に行った訴訟移送の決定に対し、…
事件番号: 昭和38(ク)423 / 裁判年月日: 昭和38年11月21日 / 結論: 却下
特別抗告制度が違憲であるとの主張は、特別抗告適法の理由にならない(昭和二七年一〇月一五日大法廷決定、民集六巻九号八二七頁参照)。
事件番号: 昭和28(ク)276 / 裁判年月日: 昭和28年12月10日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法第419条の2(現行第336条)に定められた憲法解釈の誤り等を理由とする特別抗告に限定され、民訴法第413条(現行第330条)の再抗告の規定は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案である。しかし、その抗告理由は、原決定…