判旨
行政処分が当然無効である場合を除き、処分の取消しを求める訴えは、原則として第一審裁判所としての管轄を有する高等裁判所に提起すべきである。
問題の所在(論点)
行政処分の効力を争う訴訟において、第一審の管轄権はどの裁判所に属するか。また、管轄違いの場合に裁判所が採るべき措置は何か。
規範
行政処分の効力を争う訴訟において、処分が当然無効と解される特段の事情がない限り、当該処分の取消しを求める訴えについては、当時の法制下(旧行政事件訴訟特例法等)に基づき、専属的ないし第一審として管轄権を有する裁判所(本件では東京高等裁判所)に提起されなければならない。
重要事実
本件は、行政処分に関する紛争について提起された訴えであるが、当該処分が当然無効であるか、あるいは取消しを求めるものであるかの区別、およびそれに応じた管轄裁判所の判断が争点となった。最高裁判所は、本件訴訟の性質に鑑み、管轄権を有する裁判所へ移送すべきか否かを判断した。
あてはめ
本件における訴えの内容を検討するに、処分が当然無効であると認めるべき事情は判決文からは不明であるが、取消訴訟としての性質を有する以上、当時の管轄規定に従えば、第一審管轄は東京高等裁判所にあると解される。したがって、管轄権のない裁判所に提起された本件については、民事訴訟法の規定(当時の規定)を準用し、管轄権を有する裁判所に移送するのが相当である。
結論
本件を管轄権を有する東京高等裁判所に移送する。
実務上の射程
本判決は、行政訴訟における管轄の重要性を示したものである。現行の行政事件訴訟法下では、取消訴訟の管轄は被告の所在地等の地方裁判所(12条)となるが、管轄違いの場合に移送(法7条、民訴法16条)によって対応するという実務上の処理方針を裏付けるものとして機能する。
事件番号: 昭和33(ク)211 / 裁判年月日: 昭和33年9月5日 / 結論: 却下
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事件番号: 昭和27(ク)277 / 裁判年月日: 昭和28年1月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、原決定に憲法違反の判断が含まれる場合に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、ある民事事件に関して最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由の中身は、原決定において法律、命令、規則又は…
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事件番号: 昭和29(ク)81 / 裁判年月日: 昭和29年4月7日 / 結論: 却下
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