判旨
訴訟手続の中断中にされた訴訟行為であっても、その承継人が訴訟手続を受継した上で、当該訴訟行為を追認した場合には、その瑕疵は遡及的に治癒され有効となる。
問題の所在(論点)
当事者の死亡や法人の合併等により訴訟手続が中断している間に(民事訴訟法124条等)、本来の承継人ではない者が行った訴訟行為の効力、およびその後の受継・追認による治癒の可否が問題となる。
規範
訴訟手続の中断中にされた訴訟行為は原則として無効であるが、その瑕疵は絶対的なものではない。訴訟手続の受継をした承継人が、中断中にされた訴訟行為を追認したときは、瑕疵は治癒され、当該行為は遡って有効となる。
重要事実
控訴審の継続中、被控訴人である会社が合併により解散し、訴訟手続が中断した。しかし、中断中であるにもかかわらず、消滅した会社の元代表取締役が被控訴人の法律上の代理人として訴訟行為を継続した。その後、合併による承継会社が最高裁判所において訴訟手続を受継する旨の申立てを行い、かつ、中断中に元代表取締役が行った訴訟行為を追認した。
あてはめ
本件では、被控訴人会社の合併・解散により訴訟手続が中断している。中断中にされた訴訟行為は本来無効であるはずだが、承継人である会社が適法に訴訟受継の申立てを行い、かつ、中断中になされた前代表者による訴訟行為を明示的に追認している。この追認により、相手方の地位を不当に害することなく訴訟経済を図ることが可能となるため、行為時の瑕疵はすべて治癒されたと評価できる。
結論
訴訟手続中断中になされた訴訟行為は、承継人による受継および追認によって遡及的に有効となる。
実務上の射程
訴訟行為の追認(民訴法34条2項の類推適用)に関する重要判例。中断後の行為であっても、当事者の追認があれば無効を主張できなくなる。答案上は、中断・受継の論点において、手続の安定や訴訟経済を理由として、事後的な治癒を認める際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和32(オ)720 / 裁判年月日: 昭和34年8月27日 / 結論: 棄却
一審では真正な代表者によつて代表されなかつた場合でも、二審で真正な代表者の委任した訴訟代理人が本案について弁論をしたときは、一審での代表権の欠缺は補正される。