判旨
判決言渡期日が当事者に告知されずに言渡しがなされた場合、その手続は違法であるが、言渡期日の出欠は判決の内容に影響を及ぼさないため、上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
判決言渡期日が当事者に告知されないままなされた判決言渡しの違法性が、民事訴訟法上の適法な上告理由に該当するか。
規範
判決の言渡期日に当事者が出頭するか否かは、判決の内容に直接の影響を及ぼすものではない。したがって、言渡期日の告知を欠いた手続上の違法があったとしても、それが直ちに判決の結果に影響を及ぼすべき法令の違反(旧民訴法394条、現行民訴法312条等)として上告理由となるものではない。
重要事実
原審において、判決言渡期日が指定されたものの、その期日が上告人(当事者)に対して事前に告知されたことが記録上確認できない状態で、判決の言渡しが行われた。上告人は、この告知を欠いた言渡し手続の違法を理由として上告を申し立てた。
あてはめ
本件において、言渡期日が上告人に告知された事実が確定できない以上、当該期日に行われた原判決の言渡し手続には違法が認められる。しかし、判決の言渡しは裁判所の判断を外部に公表する行為であり、当事者の期日への出欠によって判断の内容(主文や理由)自体が左右される性質のものではない。そのため、告知の欠如という手続上の不備は、判決の結果そのものに影響を及ぼす重大な違反とはいえない。
結論
言渡期日の告知なき言渡しは違法であるが、判決の内容に影響を及ぼさないため、適法な上告理由とはならず、上告は棄却される。
実務上の射程
判決言渡期日の不告知が形式的な違法にとどまり、判決の効力や内容を左右しないことを示した。もっとも、実務上は上訴期間の起算点(判決書送達時)との関係に注意が必要であり、本判決はあくまで「判決の内容への影響」に限定して判示している点に留意すべきである。
事件番号: 昭和38(オ)1170 / 裁判年月日: 昭和39年12月8日 / 結論: 棄却
当事者双方に対し適法な期日の呼出又は告知がなされて開かれた口頭弁論期日において、当事者の一方の不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知がなされたときは、その告知は不出頭の当事者に対してもその効力を生ずるものである(昭和二三年(オ)第一九号同年五月一八日第三小法廷判決・民集二巻五号一一五頁、昭和二二年(オ)第四…