当事者双方に対し適法な期日の呼出又は告知がなされて開かれた口頭弁論期日において、当事者の一方の不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知がなされたときは、その告知は不出頭の当事者に対してもその効力を生ずるものである(昭和二三年(オ)第一九号同年五月一八日第三小法廷判決・民集二巻五号一一五頁、昭和二二年(オ)第四号同二三年九月三〇日第一小法廷判決・民集二巻一〇号三六〇頁)。
不出頭の当事者に対する判決言渡期日の告知。
民訴法207条,民訴法190条2項
判旨
適法な期日の呼び出しを受けた当事者の一方が欠席した口頭弁論期日において弁論が終結された場合、その期日で指定・告知された判決言渡期日の効力は、欠席した当事者に対しても及ぶ。したがって、当該当事者に対して別途の呼出状送達をすることなく判決を言い渡しても、訴訟手続の規定に反する違法はない。
問題の所在(論点)
口頭弁論期日に欠席した当事者が存在する場合において、その期日に弁論を終結して指定された判決言渡期日の告知が、当該欠席当事者に対しても有効か。別途の期日呼出を要するか(民事訴訟法上の判決言渡手続の適法性)。
規範
当事者双方に対し適法な期日の呼出または告知がなされて開かれた口頭弁論期日において、当事者の一方が不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知がなされたときは、その告知は不出頭の当事者に対してもその効力を生ずる。したがって、当該不出頭の当事者に対し、重ねて判決言渡期日の通知をする必要はない。
重要事実
上告人の訴訟代理人は、原審において昭和38年5月20日の口頭弁論期日に出頭し、次回期日である同年7月1日の告知を受けた。しかし、上告代理人は当該7月1日の期日に出頭しなかった。原審は、上告代理人が欠席した同日の期日において弁論を終結し、同年7月22日を判決言渡期日として指定・告知した。原審は、欠席した上告代理人に対して改めて判決言渡期日の呼出状を送達することなく、指定した期日に判決を言い渡した。これに対し、上告人は判決言渡期日の呼び出しがないまま判決がなされた手続の違法を主張した。
あてはめ
本件において、上告代理人は事前の期日に出頭して7月1日の期日告知を受けており、同日の期日は適法な呼び出しに基づき開かれたものである。この適法な期日において、上告代理人が自らの意思で不出頭である間に弁論が終結され、次いで判決言渡期日が指定・告知されている。この場合、期日における告知の効力は不出頭の当事者にも及ぶと解されるため、原審が改めて呼出状を送達しなかったことに手続上の瑕疵は認められない。したがって、適法な期日指定告知に基づきなされた判決言渡しは有効である。
結論
原審の手続に違法はない。不出頭の当事者に対する個別の判決言渡期日の通知を欠いたままなされた判決言渡しは適法である。
実務上の射程
本判例は、期日指定の効力が欠席当事者にも及ぶことを明示したものであり、実務上、不出頭による弁論終結後の事務手続を簡略化する根拠となる。答案上は、訴訟手続の適法性や、期日の欠席による不利益(公示催告等に類する手続的帰結)を論じる際の準拠枠組みとして利用できる。
事件番号: 昭和27(オ)440 / 裁判年月日: 昭和29年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が判決言渡期日を職権で延期する場合、当事者の出頭がなくても、新たな言渡期日を法廷で指定告知すれば、その期日に判決を言い渡すことは適法である。 第1 事案の概要:裁判所は当事者双方に対し、適法に判決言渡期日を指定・告知していた。しかし、その言渡期日の当日になり、裁判所は職権をもって当該期日を延…