一 第一回口頭弁論期日において証人尋問が採用されたが、当事者が証拠申請書、証人尋問事項等を記載した書面の提出もせず、約三カ月後の第二回口頭弁論期日に右当事者が何ら理由を届け出ることなく出頭しなかつた場合には、裁判所は右証人を取調べることなく弁論を終結しても、審理不尽の違法があるとはいえない。 二 「その余の理由は控訴理由と同一につき援用する」との論旨は、具体的上告理由の記載がなく、民訴規則第四九条に違反し採るを得ない。
一 証人の取調べをなくしても審理不尽の違法があるとはいえないとされた事例。 二 民訴規則第四九条に違反するとされた事例。
民訴法259条,民訴法395条1項6号,民訴規則49条
判旨
口頭弁論期日に欠席した当事者に対しても、当該期日に告知された判決言渡期日の指定は有効であり、また証拠申請後に理由なく期日を欠席した場合には、証人尋問を行わずに弁論を終結しても審理不尽の違法はない。
問題の所在(論点)
1. 口頭弁論期日に不出頭の当事者に対し、当該期日で指定された判決言渡期日の告知の効力が及ぶか(判決送達手続の適法性)。 2. 証拠採用後、申請当事者が不出頭等の場合に証人尋問を行わず弁論を終結することは審理不尽にあたるか。
規範
1. 適法な期日告知がなされた口頭弁論期日において、当事者の一方が不出頭のまま弁論が終結され判決言渡期日が指定告知された場合、その告知は欠席した当事者に対しても効力を生ずる。 2. 証拠採用後であっても、当事者が証拠申請書等の提出を怠り、かつ理由なく口頭弁論期日に出頭しない場合には、裁判所は当該証人の取調べをすることなく弁論を終結することができる。
重要事実
控訴審の第1回口頭弁論期日に双方が対席し、次回期日が指定された。しかし、第2回期日に控訴人(上告人)が不出頭であったため、裁判所は被控訴人のみの出席で弁論を終結し、判決言渡期日を指定・告知した。控訴人は、第1回期日で証人2名の採用を受けていたが、証拠申請書等の必要書類を提出せず、第2回期日を無断欠席していた。控訴人は、判決言渡期日の通知がないことや、採用された証人の尋問が行われなかったことを審理不尽・手続違反として上告した。
あてはめ
1. 本件では第1回期日に双方が出頭し、第2回期日の指定が適法になされていた。第2回期日に上告人が不出頭であった以上、その場でなされた判決言渡期日の告知は、不適法な欠席をした上告人に対しても有効に帰属する。 2. 上告人は証人採用を受けながら、尋問事項書等の提出を怠り、かつ第2回期日に正当な理由なく欠席している。このような当事者の懈怠がある状況下では、裁判所が証人尋問を未実施のまま弁論を終結させたとしても、審理を尽くさなかったものとはいえない。
結論
本件判決言渡期日の告知は有効であり、かつ証人尋問を行わずに弁論を終結した点に審理不尽の違法はないため、上告を棄却する。
実務上の射程
当事者の手続懈怠(不出頭や必要書類の不提出)がある場合における、裁判所の訴訟指揮および判決手続の適法性を肯定する射程を持つ。答案上は、弁論終結時や判決手続における適正手続(民訴法251条、155条等)の充足性を論じる際の事案比較として活用できる。
事件番号: 昭和38(オ)913 / 裁判年月日: 昭和39年4月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】適式な呼出しを受けながら出頭しない証人の証拠採用を取り消し、当該証人を再度取り調べることなく弁論を終結させる措置は、既に別期日において同様の事項につき尋問・反対尋問が行われている場合には、違法とはいえない。 第1 事案の概要:上告人は原審において証人Dを申請したが、Dは原審の第4回から第7回までの…