判旨
裁判所が判決言渡期日を職権で延期する場合、当事者の出頭がなくても、新たな言渡期日を法廷で指定告知すれば、その期日に判決を言い渡すことは適法である。
問題の所在(論点)
裁判所が判決言渡期日を職権で延期するにあたり、当事者が不在の状態で法廷において次回の期日を指定告知し、その期日に判決を言い渡す手続の適法性が問題となる(民事訴訟法上の期日指定告知の要件)。
規範
裁判所が適法に指定告知した判決言渡期日を職権で延期する場合、たとえ当事者の出頭がない場合であっても、次回の言渡期日を法廷において指定告知すれば、その手続は適法なものとなる。
重要事実
裁判所は当事者双方に対し、適法に判決言渡期日を指定・告知していた。しかし、その言渡期日の当日になり、裁判所は職権をもって当該期日を延期した。その際、当事者は出頭していなかったが、裁判所は法廷において次回の判決言渡期日を指定・告知し、当該期日に判決を言い渡した。これに対し、上告人は当該手続が違法であり憲法にも違反する旨を主張して争った。
あてはめ
本件において、裁判所は当初の言渡期日を適法に告知していたが、当日になり職権で延期を決定している。この延期に際し、当事者の出頭がない状況ではあったが、法廷において次回の言渡期日を明確に指定・告知する措置を講じている。このような法廷での指定告知があれば、欠席している当事者に対しても期日の告知として十分な効力を有し、適法な期日指定がなされたといえる。したがって、その指定された期日に判決を言い渡すプロセスに瑕疵は認められない。
結論
本件の判決言渡手続に違法はなく、当事者不在のまま法廷で次回の期日を指定告知した上で行われた判決の言渡しは適法である。
実務上の射程
判決言渡期日の変更・指定に関する裁判所の職権行使の限界を示したものである。当事者の出頭が期日の有効な指定・告知の絶対的要件ではないことを確認しており、訴訟手続の円滑な進行を肯定する実務上の指針となる。
事件番号: 昭和29(オ)838 / 裁判年月日: 昭和31年7月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決言渡期日が当事者に告知されずに言渡しがなされた場合、その手続は違法であるが、言渡期日の出欠は判決の内容に影響を及ぼさないため、上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:原審において、判決言渡期日が指定されたものの、その期日が上告人(当事者)に対して事前に告知されたことが記録上確認できない状態…
事件番号: 昭和39(オ)1099 / 裁判年月日: 昭和40年7月16日 / 結論: 棄却
(昭和二三年(オ)第一九号昭和二三年五月一八日第三小法廷判決(判例集第二巻五号一一五頁)を参照する判決例)。