(昭和二三年(オ)第一九号昭和二三年五月一八日第三小法廷判決(判例集第二巻五号一一五頁)を参照する判決例)。
口頭弁論期日に出頭しなかつた当事者に対する判決言渡期日の告知
民訴法207条,民訴法190条2項
判旨
適法な呼出を受けた当事者が欠席した口頭弁論期日において結審し、その場で判決言渡期日が指定・告知された場合、その告知は欠席した当事者に対しても有効であり、別途の期日呼出を要しない。
問題の所在(論点)
適法な呼出を受けた当事者が欠席した口頭弁論期日において、口頭弁論を終結し判決言渡期日を指定・告知した場合、その告知は欠席した当事者に対しても有効か。また、別途の期日呼出を欠いた判決言渡しは違法となるか。
規範
民事訴訟法上、口頭弁論期日において裁判長が次回の期日を告知することは、その場に在廷しない当事者に対しても効力を有する。したがって、適法な呼出を受けたにもかかわらず当事者が欠席した期日において、裁判所が口頭弁論を終結し、判決言渡期日を指定・告知した場合には、当該告知の効力により期日指定の通知がなされたものとみなされ、別途の期日呼出状の送達等は不要である。
重要事実
上告人は、原審(控訴審)の口頭弁論期日について適式な呼出状の送達を受けていたが、第四回口頭弁論期日に不出頭であった。原審は当該期日において口頭弁論を終結し、裁判長がその場で判決言渡期日を指定し告知した。その後、判決言渡期日について上告人に対する個別の期日呼出はなされないまま、指定された期日に判決の言渡しが行われた。
事件番号: 昭和39(オ)1074 / 裁判年月日: 昭和40年10月19日 / 結論: 棄却
一 上告人(控訴人)訴訟代理人の所為が、上告理由第一点記載の通りであつたか否かを問わず、当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、民訴法第一二七条の釈明権の行使として、当事者に対し、所論のごとき処置を採るべき裁判所の義務は存しない。 二 当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、証拠調の施行など、裁判所が職権で施行すべき手…
あてはめ
本件において、上告人は第四回口頭弁論期日について適法な呼出を受けていたにもかかわらず不出頭であった。裁判長が当該期日において判決言渡期日を指定・告知したことは、民事訴訟法上の期日告知として、在廷していない上告人に対してもその効力が及ぶ。したがって、判決言渡期日について改めて呼出状を送達するなどの手続上の必要はなく、期日呼出の証跡が存しないとしても、訴訟手続に違法があるとはいえない。
結論
判決言渡期日の告知は欠席した当事者に対しても有効であり、期日呼出を欠いたとしても原審の判決言渡しは有効である。
実務上の射程
判決言渡期日の指定だけでなく、期日において直接告知された事項の対外的効力に関する準則を示す。実務上、不出頭の当事者がいる場合でも結審および言渡期日の指定は可能であり、その際の告知の効力を認めることで訴訟遅延を防止する意義を持つ。答案上は、手続的保障(適式な呼出の存在)を前提とした上での、期日告知の効力の範囲(民訴法94条参照)を論じる際に活用できる。
事件番号: 昭和40(オ)319 / 裁判年月日: 昭和41年11月22日 / 結論: 棄却
裁判所は、訴訟が裁判をするに熟するときは、当事者双方不出頭の場合でも弁論を終結し、判決言渡期日を指定することができ、この場合には更めて呼出をせずに、該指定期日に判決を言渡しても違法ではない。
事件番号: 昭和34(オ)229 / 裁判年月日: 昭和37年3月16日 / 結論: 棄却
一 訴訟代理人に対して、口頭弁論期日の呼出状の送達がなされなかつたが、同代理人が同期日前に裁判所に出頭して受任事件記録を閲覧した際、同期日の指定を知つたが期日には出頭しなかつたときには、同代理人は同期日に出頭して同期日呼出手続の違法について異議を述べる機会があつたにもかかわらず、これをしなかつたのであるから、右違法につ…
事件番号: 昭和38(オ)877 / 裁判年月日: 昭和39年7月21日 / 結論: 棄却
当事者双方に対し適法な期日の呼出または告知がされて開かれた弁論期日に、当事者の一方が不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知があったときは、その告知は右期日に出廷していなかった当事者に対しても効力を生じる。