裁判所は、訴訟が裁判をするに熟するときは、当事者双方不出頭の場合でも弁論を終結し、判決言渡期日を指定することができ、この場合には更めて呼出をせずに、該指定期日に判決を言渡しても違法ではない。
裁判所は当事者双方不出頭の場合に弁論を終結し呼出をせずに判決言渡をすることができるか
民訴法182条,民訴法238条
判旨
当事者双方が欠席した口頭弁論期日において裁判所が弁論を終結し、後日判決を言い渡すことは適法であり、判決言渡期日の告知は欠席当事者に対しても効力を生じる。
問題の所在(論点)
1. 当事者双方が欠席した口頭弁論期日において、裁判所は弁論を終結できるか(旧民訴法238条、現行民訴法263条との関係)。 2. 双方欠席の期日において指定された判決言渡期日の告知は、欠席当事者に対しても有効か。
規範
1. 訴訟が裁判をするに熟するときは、当事者双方が期日に出頭していない場合であっても、裁判所は職権で口頭弁論を終結し、終局判決をすることができる(旧民訴法182条)。 2. 適法な呼出しを受けた期日において判決言渡期日の指定告知がなされたときは、当該期日に欠席していた当事者に対しても、その告知の効力が及ぶ。
重要事実
原審(二審)の第7回口頭弁論期日において、当事者双方が共に欠席した。裁判所はこの期日で口頭弁論を終結し、次回の第8回口頭弁論期日を判決言渡期日として指定した。その後、第8回期日において判決が言い渡されたが、上告人は「双方欠席の期日に弁論を終結し、通知なく判決を言い渡したことは違法である」として上告した。
事件番号: 昭和38(オ)877 / 裁判年月日: 昭和39年7月21日 / 結論: 棄却
当事者双方に対し適法な期日の呼出または告知がされて開かれた弁論期日に、当事者の一方が不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知があったときは、その告知は右期日に出廷していなかった当事者に対しても効力を生じる。
あてはめ
1. 民訴法上、訴訟が裁判をするに熟する場合の弁論終結権(旧182条、現243条1項参照)は裁判所の職権であり、当事者の出頭は要件ではない。旧238条(現263条)の休止規定は、裁判所が終結も新期日指定もしなかった場合の処理を定めたものに過ぎず、終結権の行使を妨げるものではない。 2. 適法な呼出しを経て開かれた期日は有効な手続過程であり、そこでなされた言渡期日の告知は、出頭の有無を問わず当事者双方を拘束すると解される。
結論
原審の措置に違法はない。双方欠席の期日であっても、裁判所は弁論を終結でき、その場での期日告知は欠席者にも有効である。
実務上の射程
訴訟遅延防止や職権進行の観点から、裁判所の終結権を広く認める射程を持つ。答案上では、期日における「当事者の欠席」が判決手続の進行(弁論終結および言渡)を阻害しないことを示す根拠として活用できる。
事件番号: 昭和47(オ)1103 / 裁判年月日: 昭和48年11月30日 / 結論: 棄却
適法な呼出を受けながら当事者双方が口頭弁論期日に出頭しない場合に、本人尋問の採用を取消す決定が言渡されたときは、右決定の告知は、当事者双方に対してその効力を生ずる。
事件番号: 昭和39(オ)1074 / 裁判年月日: 昭和40年10月19日 / 結論: 棄却
一 上告人(控訴人)訴訟代理人の所為が、上告理由第一点記載の通りであつたか否かを問わず、当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、民訴法第一二七条の釈明権の行使として、当事者に対し、所論のごとき処置を採るべき裁判所の義務は存しない。 二 当事者双方が口頭弁論期日に不出頭の場合、証拠調の施行など、裁判所が職権で施行すべき手…
事件番号: 昭和39(オ)1099 / 裁判年月日: 昭和40年7月16日 / 結論: 棄却
(昭和二三年(オ)第一九号昭和二三年五月一八日第三小法廷判決(判例集第二巻五号一一五頁)を参照する判決例)。
事件番号: 昭和44(オ)885 / 裁判年月日: 昭和45年1月30日 / 結論: 棄却
民訴法一三八条は控訴審にも適用がある。