適法な呼出を受けながら当事者双方が口頭弁論期日に出頭しない場合に、本人尋問の採用を取消す決定が言渡されたときは、右決定の告知は、当事者双方に対してその効力を生ずる。
当事者双方不出頭の場合に本人尋問の採用を取消す決定の告知方法
民訴法190条2項,民訴法207条
判旨
口頭弁論期日に言い渡された決定および命令は、適法な呼出しを受けながら欠席した当事者に対しても、その言渡しによって告知の効力を生ずる。
問題の所在(論点)
適法な呼出しを受けた当事者が口頭弁論期日に欠席した場合、当該期日に言い渡された裁判(決定・命令)の告知の効力は当該欠席者に及ぶか。
規範
口頭弁論中にされる決定および命令は、その期日に言い渡された場合には、当該期日の呼出しを受けて出頭しなかった当事者に対しても、民訴法119条(旧207条・190条2項)により告知の効力を生ずるものと解する。
重要事実
当事者双方は、昭和46年11月11日の口頭弁論期日の呼出しを適法に受けながら、当日出頭しなかった。裁判所は、同日の期日において、被上告人代理人の期日変更申請を却下し、かつ被上告人本人尋問の採用を取り消す旨の決定を行い、これを言い渡した。
あてはめ
事件番号: 昭和40(オ)319 / 裁判年月日: 昭和41年11月22日 / 結論: 棄却
裁判所は、訴訟が裁判をするに熟するときは、当事者双方不出頭の場合でも弁論を終結し、判決言渡期日を指定することができ、この場合には更めて呼出をせずに、該指定期日に判決を言渡しても違法ではない。
本件において、当事者双方は口頭弁論期日の呼出しを適法に受けており、当該期日に出頭するか否かは当事者の任意である。かかる状況下でなされた決定の言渡しは、民訴法の規定に基づき、欠席した当事者に対しても直接に告知としての効力を発生させる。したがって、本件の証拠採用取消等の決定は、当事者が欠席していても有効に告知されたものといえる。
結論
口頭弁論期日における決定の言渡しは、欠席した当事者に対しても告知の効力を生じ、原判決に違法はない。
実務上の射程
当事者が期日に欠席しても、言渡しによる告知の効力を認めることで訴訟手続の遅延を防止する趣旨である。実務上、決定等の効力発生時期や不服申立期間の起算点を検討する際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和38(オ)877 / 裁判年月日: 昭和39年7月21日 / 結論: 棄却
当事者双方に対し適法な期日の呼出または告知がされて開かれた弁論期日に、当事者の一方が不出頭のまま弁論が終結され、判決言渡期日の指定告知があったときは、その告知は右期日に出廷していなかった当事者に対しても効力を生じる。
事件番号: 昭和34(オ)229 / 裁判年月日: 昭和37年3月16日 / 結論: 棄却
一 訴訟代理人に対して、口頭弁論期日の呼出状の送達がなされなかつたが、同代理人が同期日前に裁判所に出頭して受任事件記録を閲覧した際、同期日の指定を知つたが期日には出頭しなかつたときには、同代理人は同期日に出頭して同期日呼出手続の違法について異議を述べる機会があつたにもかかわらず、これをしなかつたのであるから、右違法につ…
事件番号: 昭和45(オ)712 / 裁判年月日: 昭和45年12月10日 / 結論: 棄却
乙が甲から所有権移転登記を経た不動産について、甲より登記原因の無効を理由とする所有権移転登記抹消登記手続請求の訴が提起され、その予告登記がされたのち右訴の口頭弁論の終結前に乙から第三者丙に所有権移転登記がされ、ついで右訴について甲勝訴の判決が確定した場合において、甲の丙に対する右所有権移転登記の抹消登記手続請求の訴を排…
事件番号: 昭和44(オ)885 / 裁判年月日: 昭和45年1月30日 / 結論: 棄却
民訴法一三八条は控訴審にも適用がある。