判旨
口頭弁論期日に欠席した当事者がいる場合でも、出頭した相手方当事者に対して判決言渡期日を告知したときは、欠席した当事者に対しても告知の効力が生じ、改めて呼出状を送達する必要はない。
問題の所在(論点)
当事者の一方が欠席した口頭弁論期日において、在廷する当事者に対してのみ判決言渡期日の告知がなされた場合、欠席した当事者に対する呼出手続として適法か。また、一方当事者の陳述により、欠席した相手方の第1審における主張・証拠関係も審理の対象となるか。
規範
民事訴訟法上の判決言渡期日の告知について、出頭した当事者の一方に対してなされたときは、在廷しない他方当事者に対してもその効力を有し(旧民訴法207条・190条2項参照)、改めて呼出状を送達することを要しない。また、控訴審で一方当事者が欠席し、出頭した当事者が第1審の口頭弁論の結果を陳述した場合、その内容には相手方の第1審における陳述や証拠関係一切が含まれる。
重要事実
上告人(控訴人)は、適法な呼出を受けながら原審の口頭弁論期日に出頭しなかった。原審は、出頭した被控訴代理人に弁論を命じ、同代理人が第1審の口頭弁論の結果を陳述したため、審理を終結した。裁判長は、その場で判決言渡期日を指定し、出頭していた被控訴代理人に告知したが、欠席した上告人に対しては呼出状の送達等を行わなかった。上告人は、この手続が違法であるとして上告した。
あてはめ
本件では、上告人が適法な呼出を受けつつ欠席した期日において、裁判長が出頭した被控訴代理人に対し判決言渡期日を告知している。この告知は、当時の民訴法の規定に基づき、在廷していない上告人に対しても有効に効力を生じるため、別途呼出状を送達する義務はない。さらに、被控訴代理人が第1審口頭弁論の結果を陳述したことで、その中には欠席した上告人の事実上の陳述、書証の認否、証拠の援用等もすべて含まれると解されるため、審理手続に瑕疵はない。
結論
原審の訴訟手続に違法はなく、判決言渡期日の告知は適法である。上告を棄却する。
実務上の射程
判決言渡期日の告知に関する手続的省略を認める実務上の確立した法理である。答案上は、当事者欠席時における判決手続の適法性や、控訴審における第1審弁論結果の援用(現行法における陳述擬制等)の文脈で、手続保障が図られていることを示す論拠として活用できる。
事件番号: 昭和33(オ)225 / 裁判年月日: 昭和33年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】適式の呼出しを受けた訴訟代理人が、出頭表への署名や証人申請書の提出をしていたとしても、事件呼上げ時に在廷していなければ、口頭弁論期日に出頭しなかったものとみなされる。 第1 事案の概要:上告代理人(控訴代理人)は、原審の第1回口頭弁論期日に向けて適式の呼出しを受けていた。当日、代理人は裁判所の出頭…