判旨
会社更生法による更生計画が効力を生じ、更正債権の金額や態様が変更された場合であっても、その影響は債権者と会社との間の相対的な関係に止まり、会社の保証人には及ばない。
問題の所在(論点)
会社更生法に基づく更生計画により主債務の内容が変更(減免等)された場合、民法上の保証の随伴性や附従性に基づき、保証人の負担する債務も同様に減免されるのか。
規範
更生計画により更正債権の金額、態様の変更その他更正計画上の制約が生じた場合であっても、それは更正債権者と会社(および更正のため新たに債務を負担する者等)との間の相対的関係に止まる。したがって、更正債権者と会社の保証人との間の関係には、更生計画による債務の変更は何ら影響を及ぼさない(旧会社更生法240条2項、現行会社更生法203条2項参照)。
重要事実
被上告人(債権者)は、会社更生手続中の会社(主債務者)に対して更正債権を有していた。上告人(保証人)は、当該会社が負担していた債務を保証していた。その後、更生計画が認可・効力を発生し、更正債権の減免等の変更が行われた。これに対し、被上告人が保証人である上告人に対し、当初の保証債務の履行を求めて提訴した。
あてはめ
本件において、更生計画の効力が生じたことで主債務者である会社と更正債権者である被上告人との間では債務の減免や態様の変更といった制約が生じている。しかし、会社更生法上の規定(旧法240条)に基づけば、このような更生計画による権利の変更は、更生会社とその債権者との間でのみ効力を有する相対的なものにすぎない。保証人である上告人は更生計画によって新たに債務を負担する等の特殊な地位にない限り、従前の保証債務をそのまま負担し続ける。したがって、主債務の変更が保証人に及ぶことはない。
結論
更生計画による主債務の変更は保証人に影響を与えないため、債権者による保証人への請求は正当である。
実務上の射程
会社更生手続(および民事再生手続)における権利変更の効力が保証人に及ばないことを明示した重要判例である。答案上は、保証人の附従性の例外として条文(会社更生法203条2項、民事再生法177条2項)を根拠に論証する際の解釈指針となる。
事件番号: 平成28(受)944 / 裁判年月日: 平成29年3月13日 / 結論: 破棄自判
AのXに対する貸金債務についてYがXとの間で保証契約を締結した場合において,YがXから金員を借り受けた旨が記載された公正証書が上記保証契約の締結の趣旨で作成され, 上記公正証書に記載されたとおりYが金員を借り受けたとしてXがYに対して貸金の支払を求める旨の支払督促の申立てをしたとの事情があっても,上記支払督促は,上記保…