判旨
罹災都市借地借家臨時処理法2条は借地権設定の許否に関する規定であり、憲法が保障する居住の自由(22条1項)に抵触するものではない。
問題の所在(論点)
罹災都市借地借家臨時処理法2条が、憲法22条1項で保障される居住の自由を侵害し違憲となるか。
規範
罹災都市借地借家臨時処理法2条に基づく借地権設定の判断は、純粋に借地権という私法上の権利設定の許否を定めたものであり、公法上の居住の場所を選択する自由を直接制限するものではないため、憲法22条1項には違反しない。
重要事実
罹災都市借地借家臨時処理法2条の適用に関して、上告人が同条の規定が憲法の保障する居住の自由に反すると主張して上告した事案である。
あてはめ
同法2条は、戦災等の罹災都市における土地の利用関係を調整するため、一定の要件下で借地権の設定を認めるか否かを規定するものである。これは不動産利用に関する私法上の権利関係を確定する手続にすぎず、特定の場所に住むこと自体を国家が強制または禁止するものではない。したがって、憲法の保障する居住の自由とは直接の関係がないといえる。
結論
罹災都市借地借家臨時処理法2条は合憲であり、憲法22条1項に違反しない。
実務上の射程
私法上の権利制限や形成を定める規定が、直ちに居住の自由等の基本権を制限するものとは評価されないという論理構成を示す際に参照しうるが、判決文が極めて簡潔であるため、主に居住の自由の限界や性質を論じる際の補強材料として用いるにとどまる。
事件番号: 昭和30(オ)810 / 裁判年月日: 昭和32年6月27日 / 結論: 棄却
戦時罹災土地物件令附則第三項にいう「空襲其ノ他戦争ニ起因スル災害ニ因リ滅失シタル建物ノ敷地」には、疎開建物の敷地の如きを、包含しないものと解すべきである。