判旨
再上告の理由として主張された憲法違反が、その実質において単なる法令違反をいうものである場合には、適法な再上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
上告人が主張する「憲法違反」の内容が、実質的に単なる法令違反の主張にすぎない場合に、再上告の適法な理由として認められるか。
規範
再上告(旧民訴法409条の2、現行民訴法327条1項・312条1項及び2項)においては、憲法違反または憲法解釈の誤りがあることが適法な上告理由となる。しかし、形式的に憲法違反を主張していても、その実質が原判決における単なる法令適用・認定の誤り(単なる法令違反)を指摘するにとどまる場合は、適法な再上告理由とは認められない。
重要事実
上告人(再上告人)が、原判決(第2審判決)に対して憲法違反を主張して再上告を提起した事案である。
あてはめ
上告人は憲法違反を主張するが、判決文によればその実質は単なる法令違反の主張にすぎない。したがって、適法な再上告理由を構成する憲法の問題(違憲判断や解釈の誤り)を提示しているとはいえない。
結論
本件再上告は適法な理由を欠くため、棄却される。
実務上の射程
司法試験の実務基礎科目や民事訴訟法において、特別上告や再上告の適格性を論じる際、形式的な憲法違反の主張があっても実質が法令違反であれば門前払い(棄却・却下)されるという手続的帰結を説明するために用いる。ただし、本判決自体は極めて短文であるため、規範の具体的内容については現行法の条文(民訴法312条等)とあわせて整理する必要がある。
事件番号: 昭和28(テ)3 / 裁判年月日: 昭和28年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が上告審としてなした終局判決に対し、最高裁判所にさらに上告(特別上告)をなし得るのは、当該判決の憲法判断の不当性を争う場合に限られる。単に「基本的人権の侵害」という文言を用いて手続規定の解釈を争うことは、正当な違憲の主張には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、高等裁判所が上告審とし…
事件番号: 昭和29(テ)5 / 裁判年月日: 昭和30年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が上告審としてなした終局判決に対する特別上告は、憲法の解釈の誤りやその他の憲法違反がある場合に限り許容される。実質的に単なる法令違背を主張するものは、特別上告の適法な理由とは認められない。 第1 事案の概要:上告人は、高等裁判所が上告審として下した終局判決に対し、最高裁判所へ上告を申し立…
事件番号: 昭和29(テ)15 / 裁判年月日: 昭和30年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張する上告であっても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合は、特別上告の適法な理由には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は憲法違反を理由として本件上告を提起したが、その主張の具体的な内容は、下級審判決における法令の適用や解釈に誤りがあるという点に帰結するものであった。なお、…