判旨
特別上告において、単なる事実認定の非難や訴訟法違反の主張は、憲法違反をいうものであっても適法な上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
事実認定の非難や単なる訴訟法違反の主張が、憲法違反を理由とする特別上告の適法な理由(民事訴訟法旧409条の3)に該当するか。
規範
民事訴訟法における特別上告の理由は憲法違反に限定される。下級審の事実認定に対する不服や、憲法違反を伴わない単なる法律(特に訴訟法)違反の主張は、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は、第二審判決に対して特別上告を提起した。上告理由は憲法違反を主張するものであったが、その実質的な内容は、一方が第二審の事実認定を非難するものであり、他方が単なる訴訟法違反を主張するものであった。
あてはめ
上告人の主張の第一点は、第二審判決が行った事実認定を不当として非難するものにすぎず、憲法問題を含まない。また、第二点は単なる訴訟法違反を指摘するものであり、これも憲法解釈の誤り等の憲法問題には当たらない。したがって、形式的に憲法違反を仮装していても、実質的には特別上告の要件を満たさない。
結論
本件特別上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別上告における不服申立の限定性を強調する判例。司法試験等においては、上告審の構造や上告受理申立てとの対比において、理由の峻別を理解するための基礎材料となる。
事件番号: 昭和27(オ)858 / 裁判年月日: 昭和29年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、原審の判断を正当として上告を棄却し、上告理由が事実誤認や採証の違法の主張にすぎず、法令解釈に関する重要な主張を含まない場合には特例法上の審判対象とならないことを示した。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に対して事実誤認および採証の違法を主張して上告を申し立てた。本件は最高裁判所にお…
事件番号: 昭和27(テ)4 / 裁判年月日: 昭和29年4月8日 / 結論: 棄却
原上告判決の判断が、東京控訴院の判例に反し且つ憲法第七六条第三項に違反したものであるというだけで、原上告判決において法律等が憲法に適合するか否かについて為した判断の不当であることを理由とするものでないときは、再上告適法の理由とはならない。