判旨
最高裁判所は、原審の判断を正当として上告を棄却し、上告理由が事実誤認や採証の違法の主張にすぎず、法令解釈に関する重要な主張を含まない場合には特例法上の審判対象とならないことを示した。
問題の所在(論点)
上告人の主張が、最高裁判所において審理されるべき「法令の解釈に関する重要な主張」に該当するか、あるいは単なる事実誤認・採証違法の主張にすぎないかが問題となった。
規範
「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」に基づき、上告理由が単なる事実誤認や採証の違法の主張に帰し、法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。
重要事実
上告人は、原判決に対して事実誤認および採証の違法を主張して上告を申し立てた。本件は最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律が適用される事案であった。
あてはめ
最高裁判所は、上告人の論旨のうち一部については原審の判断が正当であると認め、その他の論旨については結局のところ原判決の事実誤認や採証の違法を主張するものにすぎないと評価した。これにより、特例法1号から3号のいずれの事由にも該当せず、法令の解釈に関する重要な事項も含まれていないと判断された。
結論
本件上告は棄却される。上告費用は上告人の負担とする。
実務上の射程
最高裁への上告において、単なる事実認定の不服は特例法上の適法な上告理由として認められにくく、法令解釈上の重要性を基礎付ける必要があることを示す実務上の指針となる。
事件番号: 昭和27(オ)1072 / 裁判年月日: 昭和29年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が、原審で主張・認定されていない事実を前提とするものや、単なる事実認定の非難にとどまる場合は、特例法上の適法な上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:上告人は、原審に提出しなかった証拠に基づく自白と異なる主張、原判決の事実認定に対する非難、および原審で認定されていない事実(賃料不払や借地…