判旨
職業安定所が求職者に対して行う背筋力検査等の適格性検査は、求職者の適格性を判断するために相当な範囲内であれば適法である。公共職業安定所は求職者の適格性について、相当な検査判断を行う権限を有するものと解される。
問題の所在(論点)
職業安定法等に基づき求職の申込みを受けた公共職業安定所が、求職者に対して背筋力検査等の身体的適格性検査を実施することが許されるか。職安の調査・検査権限の範囲が問題となる。
規範
職業安定所は、求職者の申込みに対し、その適格性(業務遂行能力や適性)を判断するために「相当」と認められる範囲において、検査・判断を行うことができる。
重要事実
日雇労働者として求職の申込みをした上告人に対し、大阪府阿倍野公共職業安定所D出張所が背筋力検査を実施した。上告人は、当該検査の実施は違法であると主張して争った。
あてはめ
本件における背筋力検査は、日雇労働という肉体労働への適格性を判断するために行われたものである。職業安定所は求職者の適格性について相当な検査判断ができる立場にあり、本件検査もその合理的な範囲内にあると認められる。したがって、当該検査の実施に違法性はない。
結論
公共職業安定所による背筋力検査の実施は適法である。上告人の請求は認められず、棄却されるべきである。
実務上の射程
本判決は、行政庁(公共職業安定所)に求職者の適格性判断に関する一定の裁量権を認めたものといえる。司法試験の答案上は、行政の調査権限の限界や、労働法における採用選考時の調査の自由(三菱樹脂事件判決等と同様の趣旨)を論じる際の傍証として、相当性の範囲内での検査を肯定する根拠として活用できる。
事件番号: 平成7(オ)1453 / 裁判年月日: 平成13年10月25日 / 結論: 棄却
大阪税関に勤務する職員により構成される労働組合の組合員は,昭和40年1月から同49年3月までの本件係争期間中に昇任,昇格,昇給において組合員以外の職員と比較して低く処遇されていたが,これは同組合員らが過激な非違行為を繰り返していたことなどによりその勤務成績が他の職員より劣ると評価された結果であり,個々の組合員に対する上…