民訴法第二八九条により宣誓をさせることのできない者が宣誓のうえした証言であつても、裁判所は、これを証拠として採用することができる。
宣誓無能力者が宣誓のうえした証言の効力。
民訴法289条,民訴法285条
判旨
宣誓能力のない者に対し誤って宣誓をさせて証人尋問を行った場合であっても、裁判所がその証言を虚偽でないと認める限り、証拠として採用することは適法である。
問題の所在(論点)
宣誓能力を欠く者に対し誤って宣誓をさせてなされた証人尋問の効力、およびその証言を証拠として採用することの可否が問題となる。
規範
民事訴訟法上の宣誓能力がない者に対し、誤って宣誓をさせた上で行った証人尋問は、手続上の違法はあるものの、訴訟法上は有効である。したがって、責問権の放棄の有無を問わず、裁判所が当該証言を虚偽の陳述でないと認める限り、これを証拠として採用することは妨げられない。
重要事実
第一審裁判所は、証拠調べ当時13歳であり宣誓能力を欠く証人Fに対し、旧民訴法289条1号(現196条1号)に違反して誤って宣誓をさせた上で証人尋問を実施した。原審はこの証言を証拠として採用したため、上告人は手続の違法を理由に上告した。
あてはめ
本件では、13歳の証人Fに対して宣誓をさせた点は旧民訴法に抵触する違法な手続である。しかし、宣誓させて尋問すべき者に宣誓をさせなかった場合とは異なり、誤って宣誓させたにすぎない場合は訴訟法上有効な手続として残る。原審は、当該証言が虚偽の陳述ではないと評価して採用したことが判文上明らかであり、その証拠能力を認めることに違法はない。
結論
宣誓能力を欠く者に誤って宣誓させて得られた証言であっても、裁判所が虚偽でないと判断した場合には、証拠として採用できる。
実務上の射程
宣誓欠如の瑕疵は、それが「過剰な宣誓」である場合には証拠能力を直ちに否定するものではないという判断を示したもの。実務上、年少者の証人尋問において宣誓手続を誤ったとしても、自由心証によりその真実性が肯定される限り、判決の基礎とすることができることを裏付ける。
事件番号: 昭和28(オ)923 / 裁判年月日: 昭和29年5月18日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】証人の証言内容が真実に反する場合、故意による偽証罪が成立しないとしても、その虚偽陳述が過失に起因し、それによって他人の権利を侵害したときには、民法709条に基づき不法行為が成立する。 第1 事案の概要:上告人と鳥取市間の土地代金請求事件において、被上告人(当時の鳥取市長)が証人として宣誓の上で行っ…