判旨
本件上告は、原審が認定していない事実を前提とする主張や、適法に行われた事実認定を非難するに過ぎないものであり、民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
上告人が主張する事由が、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」に定める上告理由、または法令の解釈に関する重要な主張に該当するか否か。
規範
「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」1号から3号、および「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものに該当しない限り、上告は棄却される。特に、原審の認定しない事実を前提とする主張や、原審の適法な事実認定を非難するのみの主張は、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は、原審の判断に対して上告を提起したが、その上告理由は原審が認定していない事実を前提とするもの(第一点)、および原審が行った事実認定そのものを非難するもの(第二点)であった。その他の具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
上告理由の第一点は原審の認定しない事実を前提としており、第二点は原審の適法な事実認定を非難するに過ぎない。これらは同法1号から3号のいずれにも該当せず、また「法令の解釈に関する重要な主張」を含んでいるとも認められないため、実質的な審理の対象とならない。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
上告審において事実認定を争うことの困難さを示す。司法試験の民事訴訟法において、上告理由(民訴法312条等)の充足性を検討する際、単なる事実誤認の主張は適法な上告理由にならないことを示す判例として参照し得る。ただし、本判決は特例法に基づく簡潔な判示であるため、具体的な規範形成としては限定的である。
事件番号: 昭和26(オ)684 / 裁判年月日: 昭和28年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が事実認定の非難や単なる訴訟法・法令違反の主張にすぎず、民事上告事件の審判の特例法に定める重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、第一点において判例引用を行い、第二点において訴訟法違反等を主張し、第三点および第四点において原審で主張しなかった事実を前提とす…