判旨
最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、違憲主張の実質が事実認定の非難や法令違反の主張に留まる場合は、上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
上告人が主張する違憲事由が、実質的に事実認定の非難や法令違反の主張に留まる場合、特例法上の上告理由として認められるか。
規範
「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」第1号ないし第3号のいずれにも該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。違憲を主張していても、その実質が事実認定の当否を争うものであるときは、適法な上告理由とは認められない。
重要事実
上告人が違憲を理由として上告を申し立てた事案。しかし、その主張の具体的な内容は、原審による証拠の取捨選択や事実認定に対する不服申し立て、およびそれを前提とした法令違反の指摘であった。
あてはめ
上告人の論旨は、形式的には違憲を主張しているものの、その実質は証拠の取捨判断や事実認定の非難、およびそれに基づく法令違反の主張に集約される。これらは、特例法第1号から第3号のいずれの要件も充足せず、法令の解釈に関する重要な主張を含むものとも評価できない。
結論
本件上告は上告理由を欠くため、棄却される。
実務上の射程
民事訴訟における上告審において、単なる事実誤認や法令適用の不服を違憲主張にすり替えても、最高裁の特例法による門前払いを免れないことを示している。答案作成上は、上告適格や上告理由の検討において、形式的な主張だけでなく実質的な内容を吟味すべきとの文脈で参照し得る。
事件番号: 昭和26(オ)684 / 裁判年月日: 昭和28年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が事実認定の非難や単なる訴訟法・法令違反の主張にすぎず、民事上告事件の審判の特例法に定める重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人は、第一点において判例引用を行い、第二点において訴訟法違反等を主張し、第三点および第四点において原審で主張しなかった事実を前提とす…