判旨
行政処分の取消しに関する争いにおいて、処分が行政法上当然に無効であると認められない限り、適法に確定した事実に照らして当該処分を有効と認めるのが相当である。
問題の所在(論点)
行政処分の取消処分および取消決定の効力が争われる場合において、当該処分が無効であると認められない限り、その有効性を肯定すべきか。
規範
行政行為には公定力があり、重大かつ明白な瑕疵があるなど当然無効と認められる場合を除き、権限のある機関によって取り消されない限り有効なものとして取り扱われる。
重要事実
上告人は、本件の各取消処分および取消の決定について、憲法違反を主張するとともに、実質的にこれらが行政法上無効であると主張して争った。原審(東京高裁)は、事実関係に基づき当該処分の有効性を肯定していた。
あてはめ
原判決が適法に確定した事実に照らせば、本件の各取消処分および取消の決定が行政法上当然に無効であるとは認められない。したがって、これらの処分を有効とした原審の判断は正当であると解される。
結論
本件各処分等は有効であり、上告人の主張には理由がないため、上告を棄却する。
実務上の射程
行政処分の効力を争う際、無効主張が認められるためには、単なる違法にとどまらず、行政法上当然に無効とされるべき瑕疵が必要であることを示唆している。実務上は、重大明白説等の無効判断基準の適用場面で参照される。
事件番号: 昭和32(オ)1158 / 裁判年月日: 昭和36年4月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に法令の定める除外事由に該当する土地を買収したという違法があっても、直ちに当然無効となるわけではなく、その瑕疵が重大かつ明白である場合に限り無効となる。 第1 事案の概要:本件土地は、客観的には旧自創法5条5号に該当し、本来であれば買収から除外されるべき土地であった。しかし、処分庁は同号の…
事件番号: 昭和33(オ)161 / 裁判年月日: 昭和33年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分に相手方の選択を誤った違法がある場合であっても、その瑕疵が重大かつ明白でなく、当然無効と解すべき事情がない限り、出訴期間内に取消訴訟を提起しない以上、当該処分の効力を否定することはできない。 第1 事案の概要:上告人(原告)は農地の転貸人であったが、行政庁は本件農地を上告人ではなく訴外の第…
事件番号: 昭和34(オ)1215 / 裁判年月日: 昭和36年3月3日 / 結論: 棄却
農地所有権が登記簿上の住所から転居した際、郵便局にその旨届出をしておいたため、買収令書の交付に代る公告が行われた昭和二四年三月三一日当時においては、登記簿上の旧住所あての郵便物は転送されすべて新住所で受領されており、買収計画に関する同年二月二一日附の県農地委員会の訴願裁決書(あて先は、いつたん旧住所を記載の上新住所に訂…
事件番号: 昭和34(オ)1216 / 裁判年月日: 昭和36年3月3日 / 結論: 棄却
収計画の樹立公告後遅滞なく買収令書の交付に代る公告が行われ、これが有効であるとの前提の下に「買収の時期」に買収目的地の所有権が国に移転し、次いで売渡処分により国からさらに売渡の相手方に移転したものとして取扱われて来たが、その後買収令書の交付に代る公告に瑕疵があることが発見されたため、これを補正し、法律関係を安定する趣旨…
事件番号: 昭和39(行ツ)64 / 裁判年月日: 昭和40年12月10日 / 結論: 棄却
公務員を分限免職にするかどうかは、行政庁の自由裁量に属する。