判旨
宗教法人令に基づく神社の設立において、財産に関する事項は神社規則の必要的記載事項ではなく、財産の存否は設立自体の効力に影響を及ぼさない。
問題の所在(論点)
宗教法人令に基づく神社の設立において、財産的要素の存否や財務に関する事項の有無が、法人の設立登記の効力(設立の有効性)に影響を及ぼすか。
規範
宗教法人令3条において、神社は教派・宗派・教団とは異なり、「財産管理その他の財務に関する事項」を規則の必要的記載事項としていない。したがって、宗教法人の設立登記の効力は、当該団体の財産的要素の存否やその登記手続の適否によって左右されるものではない。
重要事実
上告人らは、被上告人である神社の設立登記の抹消を求めて提訴した。その理由として、神社の財産関係に関する主張が適切に判断されていないことや、財産的要素の欠如が設立の効力に影響する旨を主張した。しかし、被上告人神社は昭和26年に宗教法人令に基づき、神社規則の作成および設立登記を経て宗教法人として成立していた。
あてはめ
宗教法人令3条によれば、神社の規則には財務事項を記載する必要がなく、財産的要素は設立自体に影響しない。また、当時の関係規則によれば、神社の財産登記は設立登記とは別個の手続である。本件は設立登記の抹消を求めるものであるから、財産関係の主張は設立の効力に影響を与えない。したがって、原審が宗教法人として成立を認めた判断に法令違背はない。
結論
神社の設立登記の効力に財産関係の事由は影響しないため、設立登記の抹消請求は認められない。
実務上の射程
宗教法人の設立要件における財産的要素の要否を判断した事例。現行の宗教法人法下でも、規則の必要的記載事項(12条1項)との関係で、設立の瑕疵を争う際の射程を検討する材料となる。
事件番号: 昭和31(ヤ)4 / 裁判年月日: 昭和33年4月22日 / 結論: 却下
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事件番号: 昭和38(オ)282 / 裁判年月日: 昭和39年12月24日 / 結論: その他
寺院主管者は、寺院所有の不動産を適法に処分する権限を取得しない限り、個人の資格で、これを処分することはできない。
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