判旨
保証人が保証契約を締結する際、契約書作成時より以前に発生していた債務を保証の対象とすることは、契約自由の原則に基づき有効であり、特に異例のことではない。
問題の所在(論点)
保証契約の締結以前に発生した債務について、その後に作成された保証契約書に基づき保証責任を負わせることが可能か(既往債務の保証の有効性)。
規範
保証契約における被保証債務の範囲は当事者の合意によって決まる。したがって、保証契約書作成以前に生じた既往の債務についても、当事者がこれを保証する旨合意することは何ら妨げられず、特段の事情がない限り有効である。
重要事実
上告人は、ある債務について保証人となったが、その保証契約書が作成された日付以前に既に発生していた債務についての保証責任を争った。上告人は、自身に有利な特約が存在したと主張したが、原審はその特約の存在を認める証拠がないと判断し、上告人の保証責任を肯定した。これを不服とした上告人が、契約書作成前の債務まで保証するのは不当である等として上告した。
あてはめ
保証人が保証契約を締結する場合において、契約書作成以前に発生した債務を保証対象に含めることは、契約の内容として法的効力を有する。本件においても、原審が証拠に基づき、契約書の日付にかかわらず既往の債務を含めた保証責任を認定した判断に不合理な点は認められない。また、このような既往債務の保証は、取引の実態に照らして特に異例とするに足りない。
結論
保証契約書作成以前に生じた債務についても保証することは可能であり、上告人はその保証責任を免れない。
実務上の射程
実務上、遡及的な保証や既往債務の担保化が有効であることを認める根拠となる。答案上は、保証債務の附従性との関係で問題になり得るが、合意があれば契約成立前の債務も対象にできるという「契約自由の原則」の具体例として活用できる。
事件番号: 昭和31(オ)683 / 裁判年月日: 昭和36年8月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】資材を請負人持ちとする請負契約において、統制法令により資材入手が法律上制限されている場合であっても、請負人が「需要者」として調達する道が残されている限り、履行不能や公序良俗・強行法規違反により契約が無効となることはない。 第1 事案の概要:上告人(請負人)と相手方との間で請負契約が締結されたが、当…