判旨
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対する上告は、憲法違反の判断の不当を理由とする場合に限り許容される。
問題の所在(論点)
高等裁判所が第2審(控訴審)ではなく、上告審として終局判決を下した場合において、最高裁判所に対してさらに上告を申し立てることができる要件(上告理由)が問われた。
規範
高等裁判所が上告審としてした終局判決に対する上告申立て(旧民事訴訟法409条の2、現行法327条1項の上告に相当)は、判決において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かについてした判断の不当を理由とする場合に限定される。
重要事実
上告人は、高等裁判所が上告審として下した終局判決に不服があるとして最高裁判所に上告を申し立てた。しかし、その上告理由書の内容は、原判決の憲法判断が不当であると主張するものではなかった。
あてはめ
本件の上告理由書を検討するに、旧民訴法409条の2(特別上告に準ずる規定)が定める「憲法適合性に関する判断の不当」を理由とするものとは認められない。したがって、適法な上告理由を備えていないと解される。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却を免れない。
実務上の射程
二審制の例外として高等裁判所が上告審を担う場合の、最高裁への再上告の制限を確認したもの。現在の民訴法327条(上告を重ねることができる場合)の運用を考える上での基礎的な判示である。
事件番号: 昭和29(テ)5 / 裁判年月日: 昭和30年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が上告審としてなした終局判決に対する特別上告は、憲法の解釈の誤りやその他の憲法違反がある場合に限り許容される。実質的に単なる法令違背を主張するものは、特別上告の適法な理由とは認められない。 第1 事案の概要:上告人は、高等裁判所が上告審として下した終局判決に対し、最高裁判所へ上告を申し立…
事件番号: 昭和26(オ)2 / 裁判年月日: 昭和27年4月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、上告理由が法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した本件上告について、上告理由として主張された論旨の内容が、当時の特別法(昭和25年法律138号)に定められた上告受理の…
事件番号: 昭和27(テ)4 / 裁判年月日: 昭和29年4月8日 / 結論: 棄却
原上告判決の判断が、東京控訴院の判例に反し且つ憲法第七六条第三項に違反したものであるというだけで、原上告判決において法律等が憲法に適合するか否かについて為した判断の不当であることを理由とするものでないときは、再上告適法の理由とはならない。