判旨
決定に対する異議申立ては、明文のない限り認められず、また最高裁判所に対する抗告は憲法違反を理由とする場合に限られる。
問題の所在(論点)
決定に対する異議申立ての可否、および最高裁判所に対する抗告(特別抗告)の適法要件が問題となる。
規範
決定に対する異議申立てについては、法律に明文の規定がない限り、旧民事訴訟法409条ノ4(現行法の特別上告等に相当する規定)を準用することはできない。また、最高裁判所が抗告について裁判権を持つのは、法律が特に認める場合に限られ、民事事件においては原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。
重要事実
抗告人は、広島高等裁判所松江支部による抗告却下決定に対し、「異議の申立」と題する書面を提出した。原裁判所(高裁)は、これを異議申立てとしては認めず、再抗告の申立てと解釈して最高裁判所に記録を送付した。しかし、当該申立ての理由は憲法違反を主張するものではなかった。
あてはめ
まず、本件「異議の申立」は法律に明文の規定がないため、不適法である。次に、原審がこれを「抗告」と解釈して手続を進めた点について検討するに、最高裁判所に対する抗告は、旧民事訴訟法419条ノ2(現行民訴法336条1項に相当)により、原決定における憲法解釈の不当を理由とするものに限られる。本件の申立理由を検討すると、これに該当しないことが理由自体から明らかである。
結論
本件申立ては、異議申立てとして許されないだけでなく、抗告としても不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
決定に対する不服申立ての類型を厳格に解する実務指針を示す。現行法下においても、特別抗告(336条)や許可抗告(337条)の要件を満たさない不服申立ての適法性を判断する際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和26(ク)18 / 裁判年月日: 昭和26年5月9日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に許容された場合に限定される。民事事件における最高裁判所への抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性に限定され、通常の再抗告規定は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人は、原決定の憲法…
事件番号: 昭和24(ク)17 / 裁判年月日: 昭和24年5月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に認められた場合を除き、原則として申し立てることができない。法律上の根拠を欠く最高裁判所への抗告は不適法であり、却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。当該抗告について、訴訟法上、最高裁判所に対して直接申し立てること…
事件番号: 昭和26(ク)172 / 裁判年月日: 昭和26年9月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、憲法適合性に関する判断を不当とするものでは…
事件番号: 昭和26(ク)170 / 裁判年月日: 昭和26年9月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては民事訴訟法419条の2(現336条)に定める憲法違反を理由とする特別抗告のみがこれに該当する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由は、原決定において法律、…
事件番号: 昭和26(ク)160 / 裁判年月日: 昭和26年9月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、法律により特に許容された場合に限られ、民事事件においては原決定の憲法判断の不当を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの民事事件に関する裁判につき、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由において、原決定が憲法に適合するか否かの判…