判旨
本件は、上告の理由が「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」に定める上告事由に該当せず、また法令の解釈に関する重要な主張も含まないとして、上告を棄却したものである。
問題の所在(論点)
上告人が主張する論旨が、当時の特例法1号ないし3号に掲げる事由、または「法令の解釈に関する重要な主張」に該当し、最高裁判所が審判を行うべきか。
規範
最高裁判所に対する民事上告において、審理の対象となるためには、民事訴訟法上の上告事由、または「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(当時)1号から3号のいずれかに該当するか、あるいは「法令の解釈に関する重要な主張」を含む必要がある。
重要事実
判決文からは具体的な事件の事実は不明であるが、上告人が最高裁判所に対して上告を提起した事案である。
あてはめ
本件の上告理由を検討するに、特例法1号ないし3号(憲法違反、憲法解釈の誤り、その他の重大な法令違反等)のいずれにも該当しない。また、本件の主張は単なる事実誤認や法令適用の不当をいうにとどまり、最高裁判所が判例としての指針を示すべき「法令の解釈に関する重要な主張」を含んでいるとも認められない。
結論
本件上告は不適法または理由がないため、棄却される。
実務上の射程
上告受理制度(民訴法318条)導入以前の特例法下における判断であるが、現在の上告受理申立てにおいて「法令の解釈に関する重要な事項」を含むか否かの判断基準と同様の論理構造を有しており、最高裁の裁量的な上告排除のあり方を示す。
事件番号: 昭和26(オ)620 / 裁判年月日: 昭和27年11月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が実質的に事実誤認の主張にすぎず、憲法違反や法令違反の適法な上告理由に当たらないとして棄却された事例である。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に憲法違反および法令違反があるとして上告を申し立てた。しかし、その主張の具体的内容は、原審の認定した事実関係を争う事実に主眼が置かれていた…
事件番号: 昭和31(オ)80 / 裁判年月日: 昭和33年3月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産登記には公信力がないため、真実の権利関係に合致しない登記を信頼して取引をしたとしても保護されず、また、仮差押物件が自己の所有に属しない以上、当該差押を排除する利害関係を有しない。 第1 事案の概要:本件において、上告人は特定の不動産に対する仮差押決定に対し、当該不動産が自己の財産であると主張…
事件番号: 昭和29(オ)489 / 裁判年月日: 昭和30年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告理由が民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の事由に該当せず、法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合、原審の法律判断を正当として上告を棄却する。 第1 事案の概要:上告人らは、原審の判断に不服があるとして上告を提起したが、その主張内容は単なる法令違反を指摘するものであった。…