判旨
本件は、上告理由が実質的に事実誤認の主張にすぎず、憲法違反や法令違反の適法な上告理由に当たらないとして棄却された事例である。
問題の所在(論点)
上告理由として主張された憲法違反の内容が、実質的に事実誤認の主張である場合に、適法な上告理由として認められるか。また、民事上告特例法上の事由に当たらない法令違反の主張の適法性が問われた。
規範
上告審において憲法違反を主張する場合であっても、その実質が事実誤認の主張にわたるものは、適法な上告理由とは認められない。また、民事上告特例法(当時)に定める事由に該当しない法令違反の主張も、上告理由として不適法である。
重要事実
上告人は、原判決に憲法違反および法令違反があるとして上告を申し立てた。しかし、その主張の具体的内容は、原審の認定した事実関係を争う事実に主眼が置かれていた。
あてはめ
上告理由第二点は、憲法違反を仮装しているものの、その実質は事実誤認の主張であると評価される。第一点についても事実誤認の主張が含まれており、これらは民事訴訟法上の適法な上告理由には該当しない。その他の法令違反の主張も、当時の特例法が定める要件を満たさないため、受理の対象とならない。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
形式的に憲法違反を主張しても、内容が事実認定の不当性を争うものであれば門前払いされるという実務上の運用を確認するものである。答案上は、上告理由の適格性(民訴法312条等)を論じる際の基礎知識として機能する。
事件番号: 昭和23(オ)37 / 裁判年月日: 昭和23年12月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】証拠の取捨選択および事実の認定は、特段の事情がない限り、原審の裁量(専権)に属する事柄であり、経験則に反するなどの反対資料がない限り、上告の理由とはならない。 第1 事案の概要:原審(控訴審)において、裁判所は提示された各証拠に基づき事実を認定した。これに対し、上告人は、原審が採用した証拠が真実に…