判旨
最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告事由に当たらない事実誤認や単なる訴訟法違反の主張は、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
事実誤認や単なる訴訟法違反の主張が、最高裁判所における適法な上告事由(民事上告事件の審判の特例法記載の事由)に該当するか。
規範
最高裁判所に対する民事上告において、上告事由は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」等の法令に規定されたものに限られる。具体的には、憲法違反や判例違反等の特定の重大な事由が必要であり、単なる事実誤認や訴訟法違反の主張は、特例法上の上告事由には該当しない。
重要事実
上告人が原審の判断に対し、事実誤認および訴訟法違反を理由として最高裁判所に上告を提起した事案。
あてはめ
上告人の主張は事実誤認および単なる訴訟法違反を指摘するものにすぎない。これらは「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」に掲げられた上告事由のいずれにも該当しないと判断される。
結論
本件上告は適法な上告理由を欠くため、棄却される。
実務上の射程
最高裁への上告事由が極めて限定的であることを示す。実務上、上告理由書の作成においては単なる事実認定の不当性や軽微な手続違背ではなく、特例法や民訴法が定める憲法違反等の厳格な事由に構成し直す必要があることを示唆する。
事件番号: 昭和26(オ)106 / 裁判年月日: 昭和28年6月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由として主張された憲法違反が実質的に単なる訴訟手続違背にすぎない場合、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由には該当しない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に憲法違反があるとして上告を提起した。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には下級審における訴訟手…