判旨
上告理由として主張された憲法違反が実質的に単なる訴訟手続違背にすぎない場合、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告理由には該当しない。
問題の所在(論点)
形式的に憲法違反を上告理由として掲げつつ、その実質が単なる訴訟手続の違背である場合に、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律に基づき、有効な上告理由として受理されるべきか。
規範
上告人が憲法違反を主張していても、その実質が単なる訴訟手続の違背を主張するにとどまる場合には、最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律1号から3号までのいずれにも該当せず、また同法にいう「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものとも認められない。
重要事実
上告人は、原判決に憲法違反があるとして上告を提起した。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には下級審における訴訟手続に何らかの不備があったことを指摘するものであった。
あてはめ
上告人が主張する違憲の論旨は、その内容を検討すると実質的には単なる訴訟手続の違背をいうものに帰する。このような主張は、最高裁判所が審理すべき特例法1号ないし3号の事由を欠き、かつ法令の解釈に関する重要な事項も含まないため、不適法な上告理由といえる。
結論
本件上告には適法な上告理由が含まれていないため、上告を棄却する。
実務上の射程
憲法違反を形式的に主張するだけでは足りず、その内容が実質的に憲法問題を含まない場合は、民事上告の特例法に基づく審判対象とはならないことを示している。実務上、上告理由書の作成において、単なる事実誤認や手続違背を憲法違反にこじつける手法が排斥される根拠となる。
事件番号: 昭和26(オ)640 / 裁判年月日: 昭和26年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の上告事由に当たらない事実誤認や単なる訴訟法違反の主張は、適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人が原審の判断に対し、事実誤認および訴訟法違反を理由として最高裁判所に上告を提起した事案。 第2 問題の所在(論点):事実誤認や単…