判旨
自作農創設特別措置法23条に基づく農地の交換について、原審で争われていない事項や原判決の判示事実に照らし違法がない場合は、上告理由として認められない。
問題の所在(論点)
自作農創設特別措置法23条に基づく農地の交換の適否を、上告審において新たに争うことができるか、また原判決の認定事実に照らし当該交換に違法があるか。
規範
自作農創設特別措置法23条による農地の交換が適法であるか否かは、原判決の判示事実に照らして判断されるべきであり、特段の違法が認められない限り、適法な手続として維持される。
重要事実
上告人は、自作農創設特別措置法23条に基づく農地の交換の適否等を理由として上告を申し立てた。しかし、当該交換の適否については原審(控訴審)の段階では争われていなかった。また、原判決が認定した事実によれば、所論のような違法は存在しなかった。
あてはめ
まず、農地の交換の適否については原審で争われておらず、上告段階で新たに主張することは、民事訴訟の構造上原則として許されない。次に、原判決が確定した事実関係を前提とする限り、自作農創設特別措置法23条の規定に違反するような具体的な事由は認められない。したがって、上告人が主張する違法性の指摘は、原審の事実認定を非難するものにすぎず、法令解釈に関する重要な主張には該当しない。
結論
本件農地の交換に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
原審で主張しなかった争点を上告審で新たに持ち出すことはできないという「適時提出主義」の現れ、および事実認定に係る不服は上告理由にならないという原則を確認する事案である。行政法規(自創法)に基づく処分についても、事実関係の認定に帰する主張は上告理由として排斥される。
事件番号: 昭和29(オ)550 / 裁判年月日: 昭和31年4月13日 / 結論: 棄却
昭和二四年法律第二一五号による農地調整法改正前においても、同法第四条によつて市町村農地委員会が行う農地等の所有権、賃借権等の設定、移転等の承認は同委員会の自由な裁量に委せられていたものと解すべきでない。
事件番号: 昭和27(オ)1064 / 裁判年月日: 昭和29年3月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】自作農創設特別措置法に基づく買収農地の売渡相手の選定は、農業委員会の自由な裁量に委ねられており、その行使が著しく不合理でない限り適法である。 第1 事案の概要:上告人は、本件農地を含む土地を50万円で買い受けた実態があったが、農業委員会は本件農地の売渡計画において、上告人以外の第三者を売渡の相手方…
事件番号: 昭和27(オ)357 / 裁判年月日: 昭和28年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】自作農創設特別措置法(以下「自創法」)による不在地主の農地買収規定は、居住移転の自由を侵害せず、地主間の区別取扱いも憲法に違反しない。また、同法に基づく買収価格の定めも憲法29条3項に反しない。 第1 事案の概要:上告人は、自創法に基づき不在地主として農地を買収されたが、食糧供出の割当や肥料配給が…