判旨
本件農地が自作農創設特別措置法5条6号および同法施行令7条2号に規定する買収除外事由に該当するか否かが争われたが、最高裁は原審の事実認定を維持し、当該農地が同規定の対象に当たらないと判断した。
問題の所在(論点)
本件農地が自作農創設特別措置法5条6号および同法施行令7条2号に規定する「買収することが不適当と認められる農地」に該当するか。特に、行政庁による買収処分において、除外事由の存否に関する事実認定に誤りがあるかどうかが問題となった。
規範
自作農創設特別措置法5条6号および同法施行令7条2号の規定により、政府が買収することが不適当と認められる特定の事情(買収除外事由)が存在するか否かは、個別の農地の客観的状況に基づき判断される。
重要事実
上告人は、対象となった農地が自作農創設特別措置法5条6号および同法施行令7条2号に該当し、買収の対象から除外されるべきであると主張して争った。原審(第2審)は、提出された証拠に基づき、当該農地がこれらの除外事由に該当しないと事実認定していた。
あてはめ
最高裁判所は、原判決が証拠に基づいて適法に認定した事実関係を検討した。その結果、本件農地が自作農創設特別措置法5条6号および同法施行令7条2号に該当しないとした原審の判断は正当であると認められた。上告人の主張は、事実認定の誤りを指摘するにとどまり、原審の法的判断を覆すに足りる論拠とは認められなかった。
結論
本件農地は買収除外事由に該当しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
農地買収処分における事実認定の適法性を確認した事例である。行政事件において、法令の要件(除外事由等)へのあてはめが原審の事実認定に基づき適法に行われている場合、最高裁はその判断を維持する傾向にあることを示す。答案作成上は、行政庁の裁量や要件該当性の判断において、客観的事実の認定が先行することを意識する際に参照し得る。
事件番号: 昭和28(オ)657 / 裁判年月日: 昭和30年4月26日 / 結論: 破棄差戻
登記簿上の所有者を所有者としてした農地買収処分は、真の所有者がこれを知りまたは知り得べき状態にあつたにかからず、不服申立の方法を採らなかつた場合は、当然には無効ではない。
事件番号: 昭和27(オ)357 / 裁判年月日: 昭和28年12月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】自作農創設特別措置法(以下「自創法」)による不在地主の農地買収規定は、居住移転の自由を侵害せず、地主間の区別取扱いも憲法に違反しない。また、同法に基づく買収価格の定めも憲法29条3項に反しない。 第1 事案の概要:上告人は、自創法に基づき不在地主として農地を買収されたが、食糧供出の割当や肥料配給が…
事件番号: 昭和27(オ)1100 / 裁判年月日: 昭和30年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政庁の裁量権の有無及び範囲は、根拠規定が客観的な判断基準を示しているか否かにより区別され、基準がない場合は政策的考慮に委ねられた自由裁量となる一方、基準がある場合はその基準への該当性に関し裁判所の審査が及ぶ。 第1 事案の概要:上告人は、自作農創設特別措置法(以下「法」という)に基づき、本件土地…
事件番号: 昭和34(オ)1181 / 裁判年月日: 昭和37年3月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】自作農創設特別措置法に基づく農地の買収において、買収対象地の選択は行政庁の裁量に属し、地主に選択権はない。また、宅地化の予見可能性がない農地は同法5条5号の除外事由に該当しない。 第1 事案の概要:上告人の所有する本件農地に対し、国が自作農創設特別措置法に基づき買収処分を行った。これに対し上告人は…