判旨
事情変更を理由とする仮処分取消の申立てについて、原審が認定した事実関係に基づき、民事訴訟法(当時)の規定に則り取消を認めた判断は正当である。
問題の所在(論点)
本件における仮処分命令の発令後、その取消しを正当化するに足りる「事情の変更」が認められるか否か、および原審の判断に判例違反等の違法があるか。
規範
仮処分命令の決定後にその理由が消滅し、または保全の必要性に変化が生じた場合(事情変更)には、債務者の申立てにより、裁判所は既になされた仮処分命令を取り消すことができる。
重要事実
上告人は、被上告人に対してなされた本件仮処分命令について、原審において事情変更が生じたことを理由に取消しを求めた。第一審は事情変更を認めて仮処分を取り消し、原審(控訴審)もこの判断を維持したため、上告人が最高裁判所に上告したものである。
あてはめ
判決文によれば、原審が認定した具体的な事実関係の詳細は不明であるが、最高裁判所は「原審判示の事実関係の下」においては事情変更を理由とする取消しを認めるのが妥当であると判断した。上告人が引用した判例は本件と事案の性質が異なり適切ではないとされ、原審の判断に法的誤りはないと評価された。
結論
事情変更を理由とする本件仮処分取消の申立てを認容した第一審判決を維持した原審の判断は、正当として維持される。
実務上の射程
本判決は、民事保全法上の事情変更による保全取消し(同法38条1項)に関する実務上の運用を追認したものである。答案上は、仮処分命令後に被担保権利の不存在が確定したり、保全の必要性が消滅した事実を摘示した上で、本判例を背景に取消しの可否を論じることとなる。
事件番号: 昭和26(オ)649 / 裁判年月日: 昭和28年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事情変更による仮処分命令の取消しにおいて、裁判所が申立人の主張しない事由についても判断を加えたとしても、結論として仮処分決定後に生じた特別の事情変更に基づき一部を取り消したに過ぎない場合は、違法とはならない。 第1 事案の概要:本件は、仮処分決定に対し、事情変更を理由とする仮処分命令の取消しが申し…