判旨
確定した終局判決に対する再審の訴えは、民事訴訟法(当時)420条(現行338条)所定の再審事由がある場合に限り許されるものであり、単に判決に法律を無視した違法があるという主張は、同条所定の再審事由に該当しない。
問題の所在(論点)
確定判決に「法律を無視した違法」があるという主張が、民事訴訟法上の再審事由(旧420条、現行338条)に該当するか。
規範
確定した終局判決に対する再審の訴えは、法的安定性の観点から原則として許されない。例外的にこれが許されるのは、法(旧民訴法420条、現行338条)が限定的に列挙した再審事由が存在する場合に限られる。
重要事実
再審原告は、最高裁判所が昭和26年1月26日に言い渡した確定判決に対し、再審の訴えを提起した。その主張の要旨は、当該判決が法律を無視した違法なものであるというものであった。
あてはめ
本件において、再審原告が主張する「判決が法律を無視した違法がある」という点は、判決手続きや基礎となった証拠等に重大な瑕疵があることを類型化した民訴法上の限定列挙事由のいずれにも該当しない。したがって、適法な再審事由の主張を欠くものといえる。
結論
本件再審の訴えは、法定の再審事由に基づかない不適法なものであるから、却下される。
実務上の射程
再審の訴えにおける「限定列挙性」を端的に示す判例である。答案上は、確定判決の取消しを求める訴えにおいて、単なる法令違反の主張だけでは不十分であり、必ず法338条1項各号(または349条)のいずれかに該当する事実を具体的に主張する必要があることを説明する際に用いる。
事件番号: 昭和36(オ)1118 / 裁判年月日: 昭和39年9月29日 / 結論: 棄却
債権者が債務者所有の不動産に対し仮差押執行をした後、債務者が右不動産の所有権を第三者に譲渡し、その登記を経由した場合において、右仮差押に基づく本差押がなされたときでも、右仮差押の効力の利益をうける者は依然仮差押債権者のみであつて、その利益は、配当要求をした他の債権者および交付要求をした租税債権者におよぶものではない。
事件番号: 昭和26(ヤ)6 / 裁判年月日: 昭和28年6月9日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】判決に影響を及ぼすべき重要事項について判断の遺脱がない場合には、民事訴訟法上の再審事由(現行法338条1項9号)は認められない。 第1 事案の概要:再審原告らは、自作農創設特別措置法14条の適用および同条の違憲性を争点としていた。原上告審判決(本案判決)は、同条が適用されるべきこと、および同条が違…
事件番号: 昭和25(ヤ)6 / 裁判年月日: 昭和26年7月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】再審の訴えにおいて、民事訴訟法所定の再審事由を主張しない場合は、当該訴えは不適法として却下される。 第1 事案の概要:再審原告は、最高裁判所の既判決に対し、再審の訴えを提起した。しかし、その主張内容は、当時の民事訴訟法420条(現行338条1項)が定める再審事由に該当するものではなかった。 第2 …