判旨
不動産競売手続において、配当要求をした事実をもって競落許可決定等を非難することは許されず、また、申立債権者の解散や債権譲渡の事実は、先行する原審の判断が相当である限り抗告理由とならない。
問題の所在(論点)
不動産競売手続において、①配当要求の事実を理由に競落許可決定等の適法性を争うことができるか、②競売申立人の解散や債権譲渡の事実が競落許可決定を左右するか。
規範
不動産競売手続における競落許可決定等に対する不服申立てにおいて、配当要求を行った事実を理由に手続の適法性を争うことは許されない。また、競売申立人の適格(会社解散の有無)や債権の帰属(債権譲渡の有無)に関する事実誤認の主張は、原審の判断に不合理な点がない限り、上告理由として認められない。
重要事実
上告人は、不動産競売手続における競落許可決定およびこれに対する抗告却下決定に対し、上告を提起した。上告人は、配当要求があったことを理由に手続を非難したほか、第一審の手続瑕疵、ならびに競売申立人である会社が既に解散しており、かつ競売の基礎となる債権を他へ譲渡していたため、申立人適格および被担保債権を欠いている旨を主張した。
あてはめ
①配当要求は手続内の配当加入行為に過ぎず、これをもって競落許可決定や抗告却下決定を非難する法的根拠とはなり得ない。②上告人が主張する申立会社の解散および債権譲渡の事実については、原審において既に検討されており、その判断に不当な点は認められない。また、第一審の手続瑕疵を直接の理由として原判決を攻撃することも、上告の性質上許されない。
結論
本件上告は棄却される。配当要求の事実は決定の違法事由とならず、申立人の実体上の瑕疵に関する主張も採用できない。
実務上の射程
事件番号: 昭和26(ヤ)2 / 裁判年月日: 昭和28年10月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】確定した終局判決に対する再審の訴えは、民事訴訟法(当時)420条(現行338条)所定の再審事由がある場合に限り許されるものであり、単に判決に法律を無視した違法があるという主張は、同条所定の再審事由に該当しない。 第1 事案の概要:再審原告は、最高裁判所が昭和26年1月26日に言い渡した確定判決に対…
執行手続における瑕疵の主張制限に関する事例。特に行権競売(当時の旧法下)において、配当要求の事実が競落許可決定の効力に影響しないことを示している。実務上は、執行手続の安定性を重視し、実体上の争点や手続外の事実による後出しの非難を制限する趣旨で参照される。
事件番号: 昭和36(オ)1119 / 裁判年月日: 昭和39年9月29日 / 結論: 棄却
債権者が債務者所有の不動産に対し仮差押執行後、債務者が右不動産の所有権を第三者に譲渡し、その登記を経由した場合には、右仮差押がそのまま本差押となつたときでも、その効力の利益をうける者は依然仮差押債権者のみにとどまり、その利益は、一般私債権者たると租税債権者たるとを問わず、配当要求をなした債権者におよぶものではない。