判旨
除名処分の執行停止を求める申立てについて、本案である除名決議取消請求訴訟の判決が言い渡され確定した場合には、申立ての利益が消滅するため却下される。
問題の所在(論点)
本案訴訟の判決が確定した場合において、当該処分に係る執行停止の申立てを継続する実益(申立ての利益)が認められるか。
規範
行政処分の執行停止の申立てにおいて、本案判決の確定により処分の効力や執行の可否が既に確定した場合には、もはや執行を停止する実益(申立ての利益)が失われるものと解される。
重要事実
申立人は、地方議会(相手方)が昭和24年10月10日に行った自身に対する除名処分の執行停止を求めていた。しかし、当該除名処分の取消しを求める本案訴訟について、昭和27年12月4日に最高裁判所が判決を言い渡し、その後異議の申立てがなく当該判決は確定した。
あてはめ
申立人が求めていたのは、本案判決確定に至るまで除名処分の執行を停止することであった。本件では、既に本案である除名決議取消請求訴訟の判決が言い渡されており、かつ異議申立てがないまま確定している。したがって、本案判決確定までの間という執行停止の目的は既に達成、あるいは終結しており、執行を停止すべき対象となる時間的範囲が経過したといえる。これにより、申立人の決定を求める実益は消滅したものと評価される。
結論
本案判決の確定により申立ての実益がなくなったため、本件執行停止の申立ては却下される。
実務上の射程
行政事件訴訟法における執行停止の要件のうち、申立ての利益に関する判断を示すものである。本案訴訟が終了した場合には、仮の救済を求める必要性がなくなるという当然の理屈を明示しており、実務上も本案の帰趨が仮の救済手続に直接影響を与えることを示唆している。
事件番号: 昭和27(マ)31 / 裁判年月日: 昭和27年4月25日 / 結論: 却下
公職選挙法第二四条の訴訟には、行政時間訴訟特例法第一〇条第二項の執行停止の適用はない。
事件番号: 昭和27(マ)8 / 裁判年月日: 昭和28年3月9日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】行政事件訴訟法25条2項に基づく執行停止の申立ては、取消訴訟の対象となっている処分自体に対してなされるべきものであり、本案訴訟で争われている処分とは別個の行政処分の執行停止を求めることは認められない。 第1 事案の概要:申立人は、山梨県知事による未墾地買収計画に関する訴願裁決の取消訴訟(本案)を提…
事件番号: 平成14(行フ)1 / 裁判年月日: 平成14年2月28日 / 結論: 棄却
収容令書の執行により収容された者に対し,退去強制令書が発付され,その執行がされた場合,収容令書の執行停止を求める申立ての利益は失われる。
事件番号: 昭和32(ク)221 / 裁判年月日: 昭和33年2月7日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に認められた場合に限定される。憲法違反を主張していても、その実質が法令の解釈適用の誤りを争うものである場合は、適法な抗告として認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して憲法違反を主張して最高裁判所に抗告を申し立てた。原決定…
事件番号: 昭和25(ク)12 / 裁判年月日: 昭和27年10月15日 / 結論: その他
一 行政事件訴訟特例法第一〇条第二項本文が、行政処分の執行停止について一定の制限を設けているからといつて、同条項は、憲法によつて裁判所に与えられた行政事件審判権を侵犯する違憲の法律とはいえない。 二 民訴第四一九条の二第二項が憲法に違反するとの主張は、適法な同条の抗告理由でない。