公職選挙法第二四条の訴訟には、行政時間訴訟特例法第一〇条第二項の執行停止の適用はない。
公職選挙法第二四条による訴訟と行政事件訴訟特例法第一〇条第二項による執行停止
公職選挙法24条,行政事件訴訟特例法10条2項
判旨
公職選挙法に基づく訴訟において、同法219条が執行停止に関する規定を準用していない以上、裁判所は行政事件訴訟特例法(当時)に基づく執行停止を命ずることはできない。
問題の所在(論点)
公職選挙法24条2項に基づく訴訟において、同法219条の準用条文に含まれていない行政事件訴訟特例法10条2項(現行の行政事件訴訟法25条等に相当)に基づく執行停止が認められるか。
規範
公職選挙法219条は、同法による訴訟に適用すべき行政事件訴訟特例法の条項を限定的に列挙している。したがって、同条に記載のない条項(執行停止に関する規定等)を適用することはできず、同条の列挙は例示的なものではなく限定的なものと解すべきである。
重要事実
申立人は、基本選挙人名簿削除決定取消請求事件の第一審判決に対し上告を提起した。これに伴い、上告審判決が確定するまでの間、当該選挙人名簿修正処分の効力を停止するよう裁判所に求めた。
事件番号: 昭和26(マ)7 / 裁判年月日: 昭和27年12月25日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】除名処分の執行停止を求める申立てについて、本案である除名決議取消請求訴訟の判決が言い渡され確定した場合には、申立ての利益が消滅するため却下される。 第1 事案の概要:申立人は、地方議会(相手方)が昭和24年10月10日に行った自身に対する除名処分の執行停止を求めていた。しかし、当該除名処分の取消し…
あてはめ
本件訴訟は公職選挙法24条2項に基づくものであるが、同条3項が準用する同法214条は「訴訟の提起があっても処分の執行を停止しない」と規定している。さらに、同法219条は適用すべき特例法の条項を具体的に列挙しているが、その中に執行停止を定めた特例法10条2項は含まれていない。申立人は219条の列挙を例示的なものと主張するが、法の規定形式からしてこれを採用することはできない。したがって、裁判所には本件処分の効力停止を命ずる法的根拠が存在しない。
結論
本件執行停止の申立ては不適法であり、却下されるべきである。
実務上の射程
選挙訴訟における執行不停止の原則を強調する判例。法律が準用条文を列挙している場合、その列挙に含まれない救済手段を認めることは法解釈上困難であることを示しており、行政訴訟の個別法における準用関係を検討する際の基礎となる。
事件番号: 昭和27(マ)119 / 裁判年月日: 昭和27年10月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】仮の地位を定める仮処分決定に対する不服申立てを理由として、当該決定の執行停止を求めることは、法律上許されない。 第1 事案の概要:東京地方裁判所がなした地位保全・賃金支払等仮処分決定に対し、相手方(申請人)が当裁判所に不服を申し立て、それを理由として当該仮処分決定の執行停止を求めた事案である。 第…
事件番号: 昭和27(マ)8 / 裁判年月日: 昭和28年3月9日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】行政事件訴訟法25条2項に基づく執行停止の申立ては、取消訴訟の対象となっている処分自体に対してなされるべきものであり、本案訴訟で争われている処分とは別個の行政処分の執行停止を求めることは認められない。 第1 事案の概要:申立人は、山梨県知事による未墾地買収計画に関する訴願裁決の取消訴訟(本案)を提…
事件番号: 昭和32(ク)221 / 裁判年月日: 昭和33年2月7日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に認められた場合に限定される。憲法違反を主張していても、その実質が法令の解釈適用の誤りを争うものである場合は、適法な抗告として認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して憲法違反を主張して最高裁判所に抗告を申し立てた。原決定…
事件番号: 昭和33(オ)577 / 裁判年月日: 昭和33年12月18日 / 結論: 棄却
公職選挙法第二〇九条の二は土地改良区総代選挙に準用がない。