判旨
第三者に対する公衆浴場営業許可処分は、上告人の居住の自由を侵害するものではなく、憲法違反の主張は適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
第三者に対する公衆浴場営業許可処分が、近隣住民等の第三者の「居住の自由」を侵害するものとして違憲といえるか、またそれが適法な上告理由となるか。
規範
行政庁による特定の営業許可処分が、当該処分の直接の相手方ではない第三者の憲法上の権利(居住の自由等)を侵害するか否かは、当該処分と権利侵害との間に直接の関連性が認められるかによって判断される。
重要事実
上告人は、第三者に対してなされた公衆浴場営業許可処分の取消しを求めた。上告人は、当該許可処分が自己の居住の自由を侵害し、憲法に違反するものであると主張して上告を申し立てた。
あてはめ
本件における公衆浴場営業の許可は、その性質上、第三者である上告人の居住の自由とは直接の関係を有しない。したがって、当該処分が上告人の居住の自由を侵害しているという主張は、単に違憲を仮装して原判決を非難するものにすぎず、実質的な憲法問題を含まない。
結論
本件公衆浴場営業許可処分は上告人の居住の自由を侵害するものではなく、違憲の主張は不適法であり、上告を棄却する。
実務上の射程
公衆浴場法に基づく距離制限等の規制は、既存業者の利益を保護する側面はあるが、一般住民の居住の自由を保護する趣旨ではないことを示唆している。原告適格(法律上の利益)の議論の前段階として、憲法上の権利侵害の有無が問われた際の参考となる。
事件番号: 昭和60(行ツ)197 / 裁判年月日: 平成元年3月7日 / 結論: 棄却
公衆浴場法二条二項及び大阪府公衆浴場法施行条例二条は、憲法二二条一項に違反しない。
事件番号: 昭和35(オ)1455 / 裁判年月日: 昭和36年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公衆浴場営業の不許可処分が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の限界を逸脱した違法なものであるか否かは、距離制限基準への適合性だけでなく、土地の状況や予想利用者数等を総合的に考慮して判断される。前回の申請から状況に変化がない場合に、同様の調査結果に基づき不許可とすることは、特段の事情がない限り裁量…
事件番号: 昭和33(オ)710 / 裁判年月日: 昭和37年1月19日 / 結論: 破棄差戻
既存の公衆浴場営業者は、第三者に対する公衆浴場営業許可処分の無効確認を求める訴の利益を有しないとはいえない。