判旨
口頭弁論において訴えの取下げがなされた場合、その対象となった請求に関する第一審判決の支払命令部分は、当然にその効力を失う。
問題の所在(論点)
控訴審において訴えの一部取下げがなされた場合、既に出されている第一審判決のうち、取り下げられた請求に関する部分の効力はどうなるか。
規範
訴えの取下げがなされた場合、当該訴えに係る請求部分は、訴訟係属が遡及的に消滅する。したがって、当該請求について既になされた判決が存在する場合、その判決部分は当然に失効し、判決の効力は及ばなくなる。
重要事実
上告人は被上告人に対し、手形金60万円およびこれに対する昭和25年1月28日から同年2月13日までの年6分の割合による利息等を請求していた。第一審判決は右金員の支払を命じたが、原審(二審)の口頭弁論において、被上告人から当該利息請求部分についての訴えの取下げがなされた。
あてはめ
本件では、記録上、被上告人が原審の口頭弁論において利息請求の一部を取り下げたことが明らかである。訴えの取下げによって当該部分の訴訟係属は消滅するため、第一審判決のうち右金員の支払を命じた部分は、特段の手続きを要さず当然に効力を失ったものと評価される。
結論
第一審判決のうち、訴えの取下げがなされた利息請求に関する支払命令部分は当然に効力を失う。したがって、当該部分を不服とする上告はその前提を欠き、上告は棄却される。
実務上の射程
訴えの取下げによる判決の失効という当然の理を示したものである。答案上は、訴えの取下げ(民訴法261条)の効果として、第一審判決後の控訴審での取下げであっても、判決の当該部分が当然に失効し、既判力等の発生を防ぐ根拠として引用できる。
事件番号: 昭和27(オ)148 / 裁判年月日: 昭和31年11月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴審において請求の趣旨を減縮した場合は訴の一部取下げにあたり、当該部分に関する第一審判決は当然に効力を失うため、裁判所は第一審判決を特に取り消すことなく、控訴棄却の判決をすることができる。 第1 事案の概要:被上告人(一審原告)が、第一審判決後に控訴審(原審)において損害金の率を変更し、請求を減…