判旨
裁判官が交代した後に弁論の更新手続が適法に行われ、その後の口頭弁論期日で弁論が終結された場合、その後に設けられた判決言渡期日が延期されたとしても、判決の基礎となる弁論自体に違法はない。
問題の所在(論点)
裁判官の交代後に弁論の更新手続を経て弁論を終結した場合において、その後の判決言渡期日の延期が判決の基礎となる弁論の適法性に影響を及ぼすか(民事訴訟法249条の直接主義の適否)。
規範
裁判官の交代があった場合には弁論を更新しなければならない(民事訴訟法249条2項)。弁論を更新した上で口頭弁論を終結した以上、その後の期日が単なる判決言渡しの延期のためのものであれば、判決の基礎となる弁論手続に違法は存しない。
重要事実
第一審あるいは控訴審(原審)において、昭和25年11月28日の口頭弁論期日の後、裁判官の構成に変更があった。続く昭和26年5月10日の口頭弁論期日において、裁判官が交代した状態で弁論の更新がなされ、同日中に弁論が終結した。その後、同年6月26日に指定された期日は、判決言渡期日を延期したのみであり、新たな弁論は行われなかった。上告人は、この手続過程に違法があるとして上告した。
あてはめ
記録によれば、昭和26年5月10日の期日において裁判官の交代に伴う弁論の更新手続が調書上も明記されており、適法に完了している。同日に弁論が終結している以上、判決の基礎となる事実及び証拠調べは当該構成の裁判官によって直接審理されたといえる。その後に設けられた6月26日の期日は、単に判決言渡を延期する手続に過ぎず、判決の基礎となるべき新たな弁論が行われた事実も認められない。したがって、直接主義に反するような審理の瑕疵は認められない。
結論
原判決に弁論手続の違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
裁判官の交代(構成変更)があった際の弁論更新の重要性を確認する事例である。実務上、弁論終結後に言渡期日が変更・延期されることは稀ではないが、終結後の手続が単なる言渡しに関するものであれば、更新後の弁論の効力に影響せず、判決の基礎として有効であることを示している。
事件番号: 昭和27(オ)1258 / 裁判年月日: 昭和29年2月26日 / 結論: 棄却
親族会の招集期日の変更決定が、三名の会員中一名だけに送達されたため、右期日に他の二名が出席してなした決議も当然無効ではなく、訴により取消を求め得るにすぎない。
事件番号: 昭和42(オ)591 / 裁判年月日: 昭和43年11月26日 / 結論: その他
甲から乙に対する第一請求と乙・丙に対する固有必要的共同訴訟たる第二請求とにつき原審で一個の判決があり、乙から第一請求に関する敗訴部分を目的として上告の申立があつた場合に、甲が第二請求の敗訴部分を目的として附帯上告を申し立てることは、許されない。