行政事件訴訟特例法施行以前においても自作農創設特別措置法による農地の買収計画について異議、訴願を経た場合には、右買収計画に対する訴の出訴期間は訴願裁決を知つた日から計算すべきものであることについては、さきに当裁判所の判示したとおりであつて(昭和二五年(オ)一二六号昭和二七年九月二六日当裁判所第二小法廷判決参照)、これを変更すべき必要を認めない。
行政事件訴訟特例法施行前において農地買収計画に対する訴願を経た場合における右買収計画に対する訴の出訴期間の起算日
判旨
自作農創設特別措置法に基づく農地の買収計画について異議および訴願の手続きを経た場合、当該計画に対する取消訴訟の出訴期間は、訴願裁決を知った日から起算される。
問題の所在(論点)
行政事件訴訟特例法施行以前の事案において、法令に基づく不服申立て手続き(異議・訴願)を経た場合、原処分(農地買収計画)に対する取消訴訟の出訴期間はいつから起算されるべきか。
規範
行政処分に対して不服申立て(異議・訴願等)の手続きが法律上定められており、その手続きを経た場合には、出訴期間の起算点は原則として当該不服申立てに対する裁決(決定)を知った日(または裁決のあった日)となる。
重要事実
上告人は、自作農創設特別措置法に基づき行われた農地の買収計画に対して不服があり、同法に定められた異議の申立ておよび訴願の手続きを経た。その後、上告人は買収計画の取消しを求めて出訴したが、その出訴期間の起算点がいつになるかが争点となった。原審は、訴願裁決を知った日から起算すべきとして上告を棄却したため、上告人が解釈の誤りを主張して上告したものである。
あてはめ
自作農創設特別措置法には農地買収計画に対する異議および訴願の規定が設けられている。このような前置手続が踏まれた場合、処分の確定は最終的な裁決を待ってなされるべきであるから、出訴期間もその裁決を知った時から計算するのが合理的である。本件においても、上告人は適法に異議および訴願の手続きを終えているため、その裁決を知った日から出訴期間をカウントすべきである。
結論
本件買収計画に対する出訴期間は、訴願裁決を知った日から起算すべきであり、原判決の判断に法律解釈の誤りはない。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
現在は行政事件訴訟法14条3項(審査請求をした場合の出訴期間の特例)として明文化されているルールの原型といえる判例である。行政不服審査を経た場合の出訴期間の起算点という基礎的な手続的論点において、現行法との整合性を確認する文脈で使用できる。実務上は条文適用が優先されるが、制度趣旨を説明する際の補強となる。
事件番号: 昭和24(オ)14 / 裁判年月日: 昭和24年7月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分の取消訴訟における出訴期間の起算点に関し、処分の有効・無効は原則として影響せず、処分があったことを知った日から期間が進行する。また、たとえ処分自体に違法の疑いがあっても、法定の不服申立期間を経過した後の提訴は不適法である。 第1 事案の概要:上告人らは、自作農創設特別措置法に基づく被上告委…
事件番号: 昭和25(オ)18 / 裁判年月日: 昭和27年4月25日 / 結論: 棄却
訴願裁決書の謄本が郵便により配達された以上、特段の事情のないかぎり、右謄本の配達を受けた日に右裁決のあつたことを知つたものと認めるべく、行政処分および訴願裁決の取消または変更を求める訴の出訴期間は、その日から起算すべきである。
事件番号: 昭和26(オ)392 / 裁判年月日: 昭和27年11月20日 / 結論: 破棄差戻
自作農創設特別措置法第四七条の二にいう「当事者がその処分のあつたことを知つた日」とは、当事者が書類の交付、口頭の告知その他の方法により処分を現実に知つた日を指すのであつて、抽象的な知り得べかりし日を意味するものではない。
事件番号: 昭和38(オ)1403 / 裁判年月日: 昭和39年4月9日 / 結論: 棄却
自作農創設特別措置法による農地買収処分に対する取消訴訟の出訴期間は、同法第九条による買収令書の交付のあつた日から起算すべきである。