判旨
賃貸借の解約申入れにおける正当事由の存否は、諸般の事実関係を認定し、当事者双方の事情を十分に考慮した上で総合的に判断されるべきである。
問題の所在(論点)
借地借家法(または当時の借家法)上の解約申入れにおける「正当事由」の判断枠組み、および事実認定における裁判所の裁量の範囲。
規範
賃貸借契約の解約申入れの効力を決する「正当事由」の有無は、諸般の事実関係を総合し、貸主および借主双方の諸事情(必要性、利用状況、経緯等)を比較衡量して判断する。
重要事実
賃貸人(上告人)が賃借人(被上告人)に対し、賃貸借契約の解約申入れを行った事案。原審は諸般の事実関係を認定し、当事者双方の事情を考慮した結果、正当事由がないと判断した。上告人は原審の事実認定や証拠の取捨選択に違法があると主張して上告した。
あてはめ
裁判所は、認定された諸般の事実関係に基づき、当事者双方の事情を十分に考慮して判断を行っている。特定の証言の一部を採用し、他を採用しないといった証拠の取捨選択は事実審の自由裁量に属する事柄であり、特段の不合理は認められない。したがって、正当事由を否定した原審の判断に違法はない。
結論
本件解約申入れに正当事由は認められず、解約の効果は生じない。上告棄却。
実務上の射程
正当事由の有無が総合考慮によって決せられることを再確認するものである。答案上は、貸主側の使用必要性と借主側の居住・営業継続の必要性を中心に、補完的事由(立退料等)を含めて具体的事実を各要素に振り分けて論述する際の根拠となる。
事件番号: 昭和26(オ)819 / 裁判年月日: 昭和28年9月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】暴利行為として契約を公序良俗違反(民法90条)により無効とするためには、原審において適法に認定された事実に基づき、その契約が社会通念上許容される範囲を超えた不当な利益を得るものであることが認められなければならない。 第1 事案の概要:上告人は、本件契約が暴利行為に該当し無効であると主張して上告した…